クリスタルに囚われた仲間を救い出せ！ 名作へのリスペクトが込められたツインスティックアクション『Minishoot' Adventures』プレイレポート

本稿は事前にレビューキーをご提供いただき、執筆しています。

『Minishoot' Adventures』は、敵に囚われた仲間を助け出すため世界を冒険していく、探索要素のある見下ろし型のツインスティックシューター・アクションゲームだ。フランスを拠点とする2人体制のゲーム開発スタジオ"SoulGame Studio"が手掛ける。

コントローラーの左スティックで自機を操作し、右スティックでショット（弾を撃つ）という『Hotline Miami』などに代表されるツインスティックシューターのスタイルに、2D版の『ゼルダの伝説』と『メトロイド』シリーズにインスパイアされた探索型アクションアドベンチャー要素を組み合わせた作品だ。本稿ではそのプレイレポートをお届けしよう。

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チャーミングな手描きの世界に飛び込んで、豊富な探索要素と爽快な2スティックシューター・アクションを組み合わせた冒険に繰り出そう。きらめく上層世界から地下深くの洞くつまで、戦い抜きながら船を強化してダンジョンのボスを撃破して仲間たちを救い出せ！

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仲間を救うために世界を探索しよう

世界は悪しき意志を持つ敵レッドドローンの手に落ち、仲間たちは黒く染まった「腐敗のクリスタル」の中に囚われてしまった。謎の声の呼びかけによって何とかその手を逃れた主人公は、彼らを救うために冒険の旅に出る。

ちなみに、主人公や仲間たちは「飛行機のような姿をした機械生命体」という扱いのようだ。作中には誰かと会話をするという概念がなく、テキストの類もほとんど登場しないが、その分デフォルメされたフォルムで行われるボディランゲージがなんともかわいらしい。

冒険の舞台は地上や地下、ダンジョンのような洞窟内など、さまざまなロケーションからなる世界。マップ上にはメインとなる目標や、囚われている仲間が発する遭難信号といった目安となる目的地は表示されているものの、そう簡単にはたどり着けない。

最初は道が閉ざされたり、水路で隔たれたりしていて探索できるエリアは限られているので、マップ上にあるギミックを操作したり、強敵を倒したり、キーアイテムを入手したりすることで探索範囲が広がっていく。

攻略ルートを自分で考えてじっくりと進めていくことになるが、「あそこにあるスイッチを押してみよう」や「あれを壊すとどうなるだろう？」という短期的な目標になるものが適度に示され、好奇心が刺激されるようなデザインとなっているあたりがセンスを感じるポイントだ。

能力を強化して冒険を有利に運ぼう！

本作のような作品に欠かせないのは主人公キャラクターの強化要素。

強化要素は3項目あり、1つ目はレベルアップによって獲得したスキルポイントを使って、ショットのダメージや連射速度、移動速度といった自分自身のフィジカル的な部分を伸ばすもの（機械生命体なので）。

これは持っているスキルポイントの範囲内で自由にアップグレード／ダウングレードが可能なので、シーンに合わせて臨機応変に組み替えられる。ダメージと連射速度を上げて短期決戦に挑んだり、移動速度を上げて探索効率を上げたりといった選択が取れることはありがたい。

2つ目は武器とスキル。強敵からのドロップや探索中に発見した「大きなクリスタルの塊」を一定数集め、取り引きをすることで「武器」がレベルアップ。これによってショットの性能が強化され、同時に2発撃てるようになるなど純粋なパワーアップが可能だ。

また、世界に散らばる「失われた力（スキル）」を発見して取り戻すことで、ブーストやダッシュといった戦いと探索の両方に使える機能が解放されていく。緊急回避にも使えるし、ブーストしながらジャンプ台を使って水路の向こう岸に渡るといった使い方もできる。

最後が常に効果を発揮する、いわゆるパッシブスキル。探索中に隠されたパワーアップアイテムを入手すると、例えば「ショットが敵を一定確率でスタンさせる」といった性能が備わる。その後はずっと効果を発揮するので、発見すればするほど冒険を助けとなってくれる。

それぞれの強化要素は、必須で手に入るものもあれば、じっくりと探索したプレイヤーだけが発見できるものもある。こうした発見の楽しみこそが探索型アドベンチャーの醍醐味だろう。

弾幕を回避して手強いボスに立ち向かえ

そんな強化を重ねても一筋縄ではいかないのがボス戦。多数の弾が画面を埋め尽くす弾幕をかいくぐって攻撃を加え、底の見えない膨大な敵の体力を削っていく激しい戦いが待ち受ける。

主人公には体力の概念があるので一発アウトというわけではないにせよ、大きさも速度もさまざまで、予測のつかない動きも見せる弾をうまく見切ってかわしながら攻撃していかなければならない。普段の敵相手にも弾幕シーンはあるが、それ以上の激しさに驚くことだろう。

もちろん、難易度設定に加えてエイムアシストやオート射撃など、激しいシューティングアクションが苦手なプレイヤーをサポートするオプションも用意されている。ちなみに、自身を無敵化してくれるチート機能までもが用意されているので、望めば誰でもエンディングまで到達できる設計だ。

だが、一度は真正面から挑んで、本作本来の緊張感のある戦いを体験してみることをオススメしたい。苦労の果てには、そこでしか味わえない達成感が待っている。

随所に感じられるリスペクト

本稿の冒頭でも触れたとおり、本作は2D版の『ゼルダの伝説』と『メトロイド』シリーズにインスパイアされていて、実際プレイしていると随所にその要素が感じられる。ハートの欠片を4つ集めて体力が1つ増えたり、壺を見つけて壊せば実績解除されたりなどのオマージュも面白い。

ツインスティックによる操作性の良さと、探索の先にある達成感のバランスが光る本作。気になる方はこの冒険の旅に出てみてはいかがだろうか。