80年代の山村を舞台に怪異の真相に迫る和風ホラー『ウツロマユ - Hollow Cocoon -』プレイレポート

朝比奈 / Asahina

2023/12/10

2024/01/03

ウツロマユ - Hollow Cocoon -』は、1980年代の日本の山深い村を舞台とした、一人称視点の和風ホラーアドベンチャーゲームだ。日本のインディーゲーム開発スタジオ"NAYUTA STUDIO"が手掛ける。

長らく疎遠だった祖母の深山 絹(みやま きぬ)が危篤との知らせを受け、今は亡き母の故郷を訪れた大学生の主人公。病院での手続きを父に任せて1人で祖母宅を訪れたが、夜も更ける頃に恐ろしい化物に襲われてしまう。逃げ惑い、旧家へと入り込んだ彼は、やがて怪異の裏に隠された真相を目にすることとなるのだ。

筆者はすでにその結末を目撃しているが、本記事では、シナリオの核心部分に触れる内容など、ネタバレには配慮した形でのプレイレポートをお届けしよう。

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"Trapped in a cocoon, the silkworm weaves her final dream." Hollow Cocoon is a first-person horror adventure game set in 1980s Japan. Immerse yourself in meticulously recreated environments as you venture into the depths of unspeakable horrors that await you.

80年代の古い家屋の暗闇に潜む怪異

本作のゲームシステムは、主人公の陣場 湊(じんば みなと)となって、広大な家屋の内部を探索していくというもの。

基本的には、閉ざされた場所やモノを開くために必要な「」となるアイテムを探すわけだが、そのためには別のアイテムが必要となったり、パズル要素を解かなければならなかったりするので、それを繰り返すように屋敷内を巡りながら探していくのだ。

祖母の家系である深山家はかつて養蚕業を営んでいたこともあって、メインの舞台となる旧家の屋敷は相当の広さ。いつかどこかで目にしたような古い日本家屋や、かつての人の営みの名残りがある場所というものは郷愁を感じられることもあるが、この状況にあっては恐怖が勝る。

なにしろ、屋敷内を常に化物が彷徨っていて、探索中にいつ出くわすとも限らないのだ。

▲障子の向こう側や、暗がりの先に化物の気配がする。

化物は主人公の足音や懐中電灯の光に敏感なので、その気配(息遣いや足音)を感じたらすぐに息を潜めてやり過ごさなければならない。対抗手段はなく、見つかれば逃げるしかない。幸いにも押入れなどに身を隠したり、セーブポイントを兼ねた「お札」のある部屋に逃げ込んだりすれば、何とか難を逃れることができるだろう。

リアリティのあるグラフィックもあいまって、この"息を潜める"という行為の空気感や圧迫感は相当なものだ。筆者としては、ぜひ部屋の明かりを落としてヘッドホンでプレイをしてほしい。

怪異の裏側に隠された真相

探索の舞台となるマップ内には、本作の事態が引き起こされるに至った事の真相に迫る書物がいくつも残されている。化物から逃げることが目的だった主人公が、だんだんと真相に触れ、それを知りたいと思うプレイヤー自身と重なっていく感覚を覚えるはずだ。

詳細は伏せるので、必ずしも本作にそのまま当てはまるものではないが、日本の田舎にある因習や民俗学的なものが感じられる物語を好む方には、特に興味を惹かれる内容ではないだろうか。

なお、本作には難易度が「Easy・Normal・Hard」と3段階ある。例えばここで「Easy」を選択すれば、かなり大胆な行動を取ることも可能となる。「長い緊張感を強いられるのは苦手だが雰囲気は味わいたい!」という方も楽しめる設計になっているのは嬉しいところだ。

本作は周回要素もあり、順調ならば1周3~4時間ほどのボリュームで、さらに4つのマルチエンディングが用意されている。恐怖感と物語のバランスが高い水準でまとまっている本作は、良質な和風ホラーを求めている方にはぜひともオススメの作品だ。


基本情報 ウツロマユ - Hollow Cocoon -
開発 NAYUTA STUDIOO
販売 NAYUTA STUDIOO
配信日 2023年12月7日 / 日本語有り
定価 1,480円(Steam

この記事で紹介されているゲーム

ウツロマユ - Hollow Cocoon -

アドベンチャー

インディー

2023年12月7日
日本語対応
¥1,480
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発売日2023年12月7日
ジャンル
アドベンチャー
インディー

カテゴリ
シングルプレイヤー
Steam実績
フルコントローラサポート
Steamクラウド
ファミリーシェアリング
ストアページリンク

ウツロマユ - Hollow Cocoon -

『繭に籠り、蚕は最後の夢を見る』 ウツロマユは1980年代の日本を舞台にした一人称視点のホラーアドベンチャーゲームです。 リアルに再現された日本のシーンを探索し、恐怖に耐えながら進んだ先に待つ真実とは…。

《『ウツロマユ - Hollow Cocoon -』とは》

1980年代の日本を舞台にした、一人称視点のホラーアドベンチャーゲームです。

プレイヤーは祖母危篤の報を受け、十数年ぶりに母の故郷を訪れた男子大学生「陣場湊(じんばみなと)」となり、襲いかかる化物から身を隠しつつ、様々な場所を探索し、謎を解き、資料を収集してゆくことによって、隠された恐ろしい真実に迫っていきます。

《ストーリー》

――198X年

親元を離れ都会で下宿生活を送る男子大学生、陣場湊。
ある夜、湊は父栄治から母方の祖母である深山絹が危篤だとの知らせを受け、
母の生家がある山深い村「一ノ瀬」へと向かった。

幼い頃会ったきり、十年以上疎遠だった祖母。
実の娘である亡き母の葬儀にすら顔を出さなかった祖母に
湊は以前から嫌悪感を抱いていた。

田舎道を進むバスに揺られながら
たった一度祖母と話した時のことを思い出す。

「――お蚕様はね
 たとえ繭を出られても
 もう口はないし 飛ぶこともできない
 卵を産んで死んでしまうの」

「人がそういう虫にしてしまったのよ」

赤く染まる空と山の影が迫る夕暮れ。
湊はこの地で
窒息するような恐怖と隠された真実を知ることになる。

《システム》

・マルチエンディング
 エンディングは全4種類。
 プレイヤーの選択や行動によって分岐します。

・難易度選択
 難易度は3段階から選択可能。
 無理なくストーリーだけを楽しみたい、
 困難の先にある達成感を味わいたいなど、ニーズに沿ったゲームプレイを提供します。
 ※難易度は途中で下げることも可能です。(上げることはできません)

・オートセーブ機能
 オートセーブとマニュアルセーブの両方に対応。
 ゲームオーバーになってしまっても、すぐに直前のチェックポイントからやり直すことができます。

・画面酔い軽減機能
 視野角の変更や、画面の中央に点を表示する、カメラの揺れをオフにするなど、
 画面酔いを軽減する機能をいくつか用意しています。

《動画投稿&生配信ガイドライン》

本作の動画を投稿する、または生配信をする場合は以下のガイドラインを遵守してください。

・公序良俗に反する内容や、ゲームの価値や世界を著しく損ねる内容の投稿及び生配信は禁止します。
・動画及び生配信のタイトルにゲームの名前を含めてください。
・動画及び生配信の概要欄または説明欄にストアページのURLを記載してください。
・収益化はYoutubeなどの動画共有サイトが提供するクリエイター向け機能(※1)を用いた場合のみ可能です。上記に当たらない営利目的での動画投稿や生配信は禁止となります。(※2)
・公開者独自の付加価値をつけてください。プレイ映像を無編集で投稿するなどは不可とします。
・動画投稿及び生配信に際して、公開者や第三者に何らかの損害が発生してもNAYUTA STUDIOは一切の責任を負いかねます。
・本ガイドラインは予告なく変更する場合があります。

※1:広告収入や投げ銭など。
※2:お店での上映や、有料イベントでの利用など。