『Old World』『Against the Storm』などの販売を手掛ける「Hooded Horse」はどのようにして生まれたのか? ポッドキャストインタビュー

朝比奈 / Asahina

2023/10/17

2023/10/18

2023年10月10日、Spotifyにて配信されているポッドキャスト『The Business of Video Games』において、インディーゲームパブリッシャー"Hooded Horse"のCEO、Tim Bender氏へのインタビューが行われた。

本ポッドキャストは、『Hearts of Iron IV』や『Stellaris』で知られる"Paradox Interactive"の元最高マーケティング責任者 Daniel Goldberg 氏と、元最高事業開発責任者 Shams Jorjani 氏がホストを務める、ゲーム業界の内部事情に光を当てようとする番組だ。

▲Business of Video Games Episode 14 - What’s a Hooded Horse?

毎回、興味深い内容を伺えるものの、全編英語での配信となるため日本で視聴されている方はあまりいらっしゃらないのではないかと思う。

今回、Hooded Horseより、ポッドキャストの内容を抜粋・要約の上、日本語翻訳されたものを提供いただいたので、その全編を掲載してお届けしよう。Hooded Horseという1つのパブリッシャーに焦点を当てたものとなるが、普段垣間見ることのない深い内容にも触れられているので、ぜひご覧いただきたい。

インタビュー(日本語翻訳)

先に触れたとおり、今回掲載する内容は抜粋・要約されたものとなる。以下は主なトピックだ。なお、インタビューにおいては便宜上、 Shams Jorjani氏はShams。Tim Bender氏はTimという形式で表記させていただく。

  • Hooded Horseとは
  • CEO Tim Bender の背景
  • なぜストラテジー特化のインディーパブリッシャーなのか
  • パブリッシング経験ゼロなのに、どうして大型タイトルと契約を結べたのか
  • Hooded Horseという名前の由来
  • 他のパブリッシャーとの違い
  • Hooded Horseのビジネスモデル、契約条件について
  • リクープはする? しない?
  • パブリッシャーとして必要なこと
  • 日本語ローカライズに積極的なのはなぜ?

――現在急成長中のゲームパブリッシャー「Hooded Horse」とは?

Shams:
Hooded Horseは、ストラテジーやタクティカルゲームに特化したゲームパブリッシャーで、『Against the Storm』や『Old World』、『Terra Invicta』などをリリースしています。

昨年5月に最初のパブリッシングタイトル『Old World』がリリースされてから、現在2023年10月までの間に、彼らのパブリッシングタイトルは8本にまで数を増やし……原稿にはそのように書いていたのですが、この原稿を書き上げてからこの収録に至るまでの間に、新たなゲームとパブリッシング契約を結んだようです。つまり現在は「9本」ですね。

まさに「急成長中」という言葉の裏付けにもなるほどのスピード感です。

また、今後も大きなリリースを控えています。現在Steamのウィッシュリスト上位(2023年10月現在、第3位)にランクインしているタイトル『Manor Lords』もその内の1本です。

最後に、私自身も、昨年5月にHooded Horseの会長(Chairman of the Board)に就任し、週に半日ほど彼らのCEOであるTim Benderと話し、戦略的なアドバイスをしたり、私が長年勤務したParadox社で起こしたような大きな失敗を起こしたりしないように助言をしています。

今回は、Hooded HorseのCEOであるTim Benderをゲストとして迎え、「他社がSteamで苦戦している中、如何にしてHooded Horseは成功できたのか」ということなどを聞いていきたいと思います!

▲『Against the Storm』

――まずは、あなた(Tim Bender)のこれまでの背景について教えていただけますか?

Tim:
私は、しばらくの間、弁護士をやっていました。その後は、マッキンゼーで少しの間ビジネスコンサルタントとして働いていました。また、中国史や東アジア地域の政治学なども勉強して、修士号も取得しました。

マッキンゼーに在籍していたころ、新規事業に投資をしたいという友人がいたんです。その頃、私は『Mount & Blade: Warband』というゲームのDLC『Viking Conquest』に対応するMODの製作を趣味として楽しんでいたんですが、彼から「そんなに好きならゲーム業界で起業したらどうか」と声をかけられたんです。

そこで、自分も少し調べてみたら、ストラテジーやタクティカルゲームを扱うインディーゲームパブリッシャーなら可能性があるかもしれないと思ったんです。

──ということは、最初からパブリッシャーをやりたかったというわけではなく、様々な業態にオープンだったなか、結果としてゲームパブリッシャーになったと?

Tim:
そうですね。パブリッシャーになるとは思ってもみませんでした。ゲーム業界に興味があって、いろいろと調査をしてみた結果、インディーゲームパブリッシャーに可能性を見出だせたという感じです。

そこで最初に出会ったのが『Terra Invicta』でした。『XCOM』用に作られたMOD『Long War』の開発者たちによって開発されていた作品です。自分自身も『Long War』MODを楽しくプレイしていたんですが、彼らがKickstarterを開始するという発表を知り、「もし彼らと話ができれば、パブリッシング契約の話もできるのでは?」と考えたのです。

それがHooded Horseの始まりですかね。

▲『Terra Invicta』

──では、あなたはどのようにしてインディーゲーム・パブリッシャーに可能性を見いだせたんですか? 昨年は30社ほどの新たなパブリッシャーが誕生しましたが、Hooded Horseはそれよりも少し早かったですよね。いったいどのような分析をして、この業界に何が足りないと考えたのでしょうか?

Tim:
今この場でしっかり話せるほど答えはまとまっていませんが、1つは「特定ジャンルに特化したパブリッシャー」です。

私たちもストラテジーとタクティカルと謳っていますし、純粋なストラテジー特化型とは言えませんが、それでもこのジャンル層に特化したパブリッシャーなら上手くやっていけるのではないかと考えたんです。この手のジャンルを好むプレイヤーたちも特定的ですしね。

このジャンルが大きなお金になるとは思っていません。「お金儲けに最適なのは?」と聞かれれば、オープンワールドのサバイバル・クラフト系だと言うでしょう(笑)。

ストラテジーやタクティカルゲームは個人的にも大好きなジャンルですし、よく理解もしているつもりです。そして、このジャンルを同じように理解している人たちがいれば、会社にすることも可能だと考えたんです。

それに、このジャンルであれば、競争相手も少ないと考えました。もちろん、Paradox Arcなどの先駆者もいますが。会社の立ち上げを考えていた2019年当時──もちろん、その時点でもそういったパブリッシャーは数社いましたが──まだもう1社くらいなら新規参入できる余裕があるように思えました。自分の創りたい会社が参入できる余裕があると。

自分の創りたい会社というのは、独立性の高いスタジオを支援しながら彼らと連携し、彼らが独立したままでいられるようにサポートしていく会社でした。

──面白いですね。少し話を戻させていただきますが、過去に1度もゲームパブリッシングを手掛けたことのないHooded Horseは、如何にして『Terra Invicta』を味方につけ、Mohawk Gamesなどの素晴らしい開発者たちと契約を結ぶことができたのでしょうか? 会社を立ち上げてからのお話をもう少し聞かせてください。

Tim:
『Terra Invicta』などに関しては、開発者たちとの最初のミーティングが上手くいったところが大きいと思っています。私たちの求めるものや理想の関係性などについての話をしたところ、彼らも同じような認識を持っていたのです。

それに、『Terra Invicta』のKickstarterプロジェクトが上手くいったということも大きな要因ですね。こうしたゲームが20万ドル以上もの資金を調達したのですから──もちろん、アダルト向けのゲームだとか、かわいいネコのゲームならもっと大きな資金調達も可能なのでしょうけど(笑)。このようなニッチなストラテジーゲームとしては、とても大きな成功です。

それから、Steamストアページも立ち上げると、ウィッシュリスト登録も順調に増えていきました。

それでも、彼らが最初から私たちにここまでの信頼を置いてくれたということについては、本当に感謝しています。

──素晴らしいですね。ここからは、もう少しHooded Horseの核心的な部分について尋ねていきましょう。まずは、Hooded Horseという名前の由来から教えていただけますか?

Tim:
それには2種類の理由があります。1つは、「.com(ドメイン)」が空いていたからとか、みんな動物が好きだし覚えやすいからとか。もちろん、これもすべて事実ですよ(笑)。

もう1つは、北欧神話です。Hooded Horseとは、北欧神話に登場する「ユグドラシル」のことです。"Yggdrasill"とは、北欧神話の主神オーディンを表す"Ygg"と馬を表す"Drasill"という言葉から成立していると言われています。ユグドラシルとは、つまり「オーディンの馬」という意味です。また、オーディンは"Hooded One(フードを被りし者)"とも言われます。そこから"Hooded Horse"という名前が出来上がりました。

ロゴを世界樹にして、みんなに「馬なのに?」と思わせて混乱させることもできましたが、それはやめておきました(笑)。

──ありがとうございます。それでは、Hooded Horseは他のパブリッシャーと比較して何が違うんですか? また、なぜストラテジーに特化しようと思ったのですか?

Tim:
まず最初に、私たちがParadoxやCreative Assembly、Firaxis Gamesなどの競合他社に当たるとは思っていません。彼らが、現在のストラテジーゲームの土台を築き上げたといっても過言ではないと思っています。特にParadoxなんかがそうですよね。人々にこうしたニッチなストラテジーゲームの楽しみ方を教えてきてくれたわけですから。

現に、こうして今ストラテジーゲームを遊んでいるプレイヤーの9割は『Total War』や『Civilization』、『XCOM』もしくはParadoxゲームなどから来ているのではないでしょうか。彼らは競合他社というよりもむしろ恩人なわけですから、感謝しかありません。

今でこそ『Manor Lords』といった、ウィッシュリスト登録数も上位に食い込み、幅広いプレイヤーに遊ばれるであろうタイトルも存在しますが、「よし、『Total War』の競合タイトルを生み出すぞ」と始まったわけではありません。

私たちの根幹となっているものは、より小さな開発スタジオが手掛けるゲームです。小さくないとダメというわけではありませんが、大きな開発スタジオである必要はありません。そういった開発スタジオが作る作品はとてもニッチですが、それが響くニッチなプレイヤー層がいるわけです。そうしたプレイヤーたちにきちんとゲームを届けることで、ゲームが成功を収めることができ、開発者もゲーム開発を続けていくことができると考えています。

ストラテジーゲームは利益性の高いジャンルとは言えません。いくらクオリティが高くても、誰にも遊ばれていないようなストラテジーゲームは無数に存在します。ストラテジーゲームのプレイヤーたちはとても強いこだわりを持っていますし、1つの作品に膨大な時間をつぎ込みます──ちょっとだけ遊ぶようなゲームを求めているわけではないのです。そのため、埋もれてしまうタイトルが無数に生まれてしまうのです。

その上、ある程度のクオリティを求めるのなら、それなりの開発期間が必要になってくるジャンルだとも思っています。……ストラテジーゲームが業界最悪のジャンルだとは言いませんよ! 私自身、その中でとても楽しんで働いていますから(笑)。

もちろん、良いところもあります。例えば、一度プレイヤーに響けば長く遊んでもらえますし、そうなればDLCも出しやすくなります。また、価格が少し高くてもゲームを購入することができるプレイヤー層がいるゲームジャンルだとも考えています。その他にも数えきれないほどの強みがあります。

それでも、このジャンルに飛び込むことが、みんなにとって最適かと聞かれれば、そうとは答えられません。私たちにとっては、大好きなジャンルであり、よく理解している最適な場所だったというだけです。

──Hooded Horseのビジネスモデルや契約条件について教えていただけますか?

Tim:
私たちが契約するゲームは、主に2種類に分けられます。

1つ目は、資金提供を必要としているソロ、もしくは2人組体制で開発されている小さなゲームです。こうしたゲームに対しては、基本的に「開発費用の投資」と「マーケティング」を行います。

2つ目は、資金的な面では安定してる大きな開発チームによって開発されているゲームです。この場合は、過去に成功を収めている開発チームが多いですね。例えば『Nova Roma』を手掛けるLion Shieldは、『Kingdoms and Castles』で成功を収めた開発スタジオです。他には、『Battle Brothers』を手掛けた開発スタジオによる新作『MENACE』も同様のケースです。

こうした大きな開発スタジオは、開発費用などに関しては自分たちで賄えていることが多いので、マーケティング契約を結ぶことが多いです。もちろん、ローカリゼーションやQA(品質保証)なども行います。パブリッシングのサポートをするかたちです。開発費用の投資はしません。

私たちのポートフォリオは、だいたい上記の2種類に二分されています。

最近は、より大きな開発チームを備えたスタジオと契約を結ぶことが増えてきましたが、つい先日も『Super Fantasy Games』というソロ開発スタジオと契約を結んだりしています。数か月で10万件以上ものウィッシュリスト登録を獲得した期待作です。

ここで何を伝えたいのかというと、私たちは「開発費用の投資」をほとんどしていないということです。大きな開発資金を必要とする大きなスタジオは既に自分たちで賄えていることが多く、契約はマーケティングに限定されることがほとんどです。逆に、開発費用の投資を必要とする小さな開発スタジオは、そもそも必要とする開発資金も少ないのです。そのため、全体的な資金提供というのはあまり大きくありません。

この背景としては、私たちにはベンチャーキャピタルや投資組織がないからです。100%、普通株による個人的な投資のみです。大きな資本金をベースに立ち上げたわけではありませんが、急成長を遂げることができたおかげで、開発費用の投資も続けながら運営できています。

契約条件に関しては、ある程度のスタンダードが出来上がっています。

例えば、マーケティングのみの契約であれば、収益の35%をパブリッシャー側の取り分として、残りの65%を開発側の取り分とするのが弊社のスタンダードとなっています。

ただし、パブリッシャー側の取り分が35%を下回るような特殊なケースも存在します。例を挙げると、私たちと契約を結ぶ前に、ウィッシュリスト登録数がすでに55万件を超えていた作品ですね。

開発費用の投資を行う場合は、パブリッシャー側の取り分が35%よりも少し大きくなります。それでもリーズナブルにしています。

▲『Nova Roma』

──IP(ゲームタイトルやキャラクターなどの著作権)は取らないんですか?

Tim:
IPを取ることはありません。正直、IPを獲得したところで、私たちに良い使い道があるのかどうかも分かりません。IPを取ることはないですね。

──リクープ(発売直後の費用回収)についてはどうですか?

リクープとは、パブリッシャーが投資費用を回収するために、ゲーム発売直後の売上をすべて獲得すること。

Tim:
弊社のスタンダードは、「パブリッシャーが35%、開発者が65%」です。リクープのようなものは一切ありません。初月から、ゲーム発売後数年間の月間収益配分に至るまで、この比率が変わることはありません。フラットレートです。

業界のスタンダードなのかどうかは分かりませんが、マーケティング契約の場合、パブリッシャー側の取り分が30%で、さらにリクープまで行うという話を聞きました。私たちは、これをする代わりに、取り分を35%にしてリクープを行わないようにしています。

私たちは、発売直後の売上を確保するリクープを行う形から、長期的に少し高めの収益配分を頂くという形に変えていくことが大事だと考えています。こちらのほうが、より開発者のことを考えているように思えます。

リクープは結局のところ、リスクをカバーするためのものでしかありません。ゲームが上手くいかなかったときの責任を、パブリッシャーから開発者へと転嫁させるものです。しかし、一度考え直してみると、そこに合理的な理由は見つかりません。

たくさんのゲームを抱えるパブリッシャーは、個々のゲームタイトルに対して、開発者ほどのリスク保証をかけておく必要はあるのでしょうか。必要ありませんよね。

いくつものゲームをリリースしているわけですから、上手くいくゲームもあれば上手くいかないゲームもあります。そうしてバランスが保たれるわけです。しかし、開発者はたいていの場合1つか2つのゲームしか持っていません。そのゲームが上手くいくかいかないかに掛かっている部分が大きいのです。

そういったことから──これは私の弁護士的な考え方なのかもしれませんが、こうしたリクープにあまり目的性を見いだせないのです。こうしたリスクに関しては、開発者よりもパブリッシャー側が負うべきだと考えています。

また、パブリッシャー側の取り分が35%というフラットレートはとても良心的なものだと思っています。というのも、業界的にはリクープ後に収益配分率が「30:70」になるパブリッシャーは良心的なほうで、多くのパブリッシャーは、リクープ後も50%もの取り分をキープするみたいです。

──パブリッシャーとして必要なことは何だと思いますか?

Tim:
開発者たちが契約を決める最大の要因は、パブリッシャーの実績ですよね。その点では、私たちは非常に良い実績を収めてきていると思います。2022年に発売したゲームタイトルはいずれもSteamで10万本以上の売上を記録していますし、初年度の売上本数合計は100万本にも到達しました。

バイラルヒットはありませんが、一貫した実績を残してきています。この「一貫性」は、私たちが何かを提供してきたという証です。さらに、私たちが流行に流されがちな日和見主義的なパブリッシャーではないという証明にもなります。

最近は、日和見主義的な流行ばかりを追うパブリッシャーを見かけることが増えたように感じています。手当たり次第にゲームと契約を結び、上手くいきそうなゲームタイトルだけを持ち上げて、上手くいきそうにないゲームタイトルはすぐに切り捨てるようなパブリッシャーです。もはや搾取的とも言えます。

そうしたパブリッシャーは、ゲーム開発者たちが望むようなパブリッシャーではないはずです。

──最後に、『Old World』をリリースしてから、1年と少しが経ちましたが、何か変化や学びはありましたか?

Tim:
最初のころは有料プロモーションを多用していました。もちろん予算は小さく、大したものではありませんでしたが……発表したゲーム1本につき$50,000(約750万円)ほどですかね。

もちろん、今でも広告を出したりはしますが、予算はさらに小さくなりました。マーケティングにかける全費用のうちの1%ほどです。これは大きな変化ですかね。

あとは、それぞれの分野に特化した人員の確保ですね。もっと早くたくさんの人を雇っておくべきだったと感じています(笑)。

▲『Old World』

日本のメディアに向けての特別質問

──多くのインディー・ストラテジー/シミュレーションゲームが日本語にローカライズされないなか、どうしてHooded Horseは日本語ローカライズに積極的なんですか?

Tim:
日本は、ストラテジー/シミュレーションゲームにとって最も重要な市場のひとつだと考えています。

というのも、日本のプレイヤーは非常に協力的で、気に入ったゲームをX(旧Twitter)などのSNSで積極的にシェアしてくれます。特に、大企業のような大規模な広告予算を持たないインディーゲームパブリッシャーにとっては、そういう風にプレイヤーたちがゲームの面白さをシェアし合ってくれることがとても大きな力になるのです。

さらに、日本のメディアやインフルエンサーたちは、積極的にインディーゲームのタイトルを取り上げてくれます。本当に感謝しかありません。

現在、弊社のタイトル28本のうち、27本は日本語ローカライズが決定しています。唯一日本語対応が発表されていないタイトルも、開発元がローカライズに対応するのを待っている状態です。私たちは、日本語は必須言語だと考えており、すべてのゲームを日本語にローカライズしていく予定です。

基本情報 Hooded Horse
Hooded Horse 公式サイト hoodedhorse.com
Hooded Horse 公式X(旧Twitter) @HoodedHorseInc

この記事で紹介されているゲーム

Mount & Blade: Warband

RPG

アクション

2010年3月31日
¥2,600

Against the Storm アゲインスト・ザ・ストーム

シミュレーション

ストラテジー

2023年12月9日
日本語対応
35%¥2,587

Terra Invicta テラ・インヴィクタ

ストラテジー

早期アクセス

シミュレーション

2022年9月26日
日本語対応
25%¥3,735

Old World オールド・ワールド

シミュレーション

ストラテジー

2022年5月19日
日本語対応
30%¥3,486

Manor Lords マナー・ロード

ストラテジー

早期アクセス

シミュレーション

2024年4月26日
日本語対応
¥4,980
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発売日2022年9月26日
ジャンル
ストラテジー
シミュレーション
早期アクセス

カテゴリ
シングルプレイヤー
Steam実績
Steamクラウド
ファミリーシェアリング
Steamトレーディングカード
Steamワークショップ
ストアページリンク

Terra Invicta テラ・インヴィクタ

XCOMの傑作MOD「Long War」の開発が贈るSFグランドストラテジー。エイリアンの侵略により、人類は異なるビジョンとイデオロギーを持つ7つの派閥へと分裂してしまった。選択した派閥を率いて他国を支配し、太陽系全域へと勢力を拡大せよ。あらゆる戦術を駆使して敵艦隊を打ち破れ。

HOODED HORSEの他のストラテジーゲームもウィッシュリストに加える

https://store.steampowered.com/app/2432860/MENACE/


ゲームについて

その日は、突如としてやってきた──この星に地球外生命体の探査機が接近していることが判明したのだ。エイリアンによる勢力は人類の気付かぬうちに氷で凍てついたカイパーベルトの彼方まで辿り着き、侵略に向けて準惑星の採掘を始めていた。

地球上に存在する国々が「エイリアンの襲来」に団結して対処ができずにいる中、同じ志を持つ政治・軍事・科学といった各分野のリーダーたちは国籍を超えた多国籍チームを結成して、秘密裏に連絡を取り合うため、「カバートチャネル」を構築し、密かに対応策を練っていた。そのような状況で地球上では、希望、恐怖、欲望に駆られた派閥が次々と台頭し始める。エイリアンたちの目的も定かではないまま…

プレイヤーが操作するのは、次の派閥のいずれかだ。
  • 「レジスタンス」:国家間で同盟を組み、組織的な防衛を行う者たち
  • 「人類優先」:エイリアンとそれに同調する人間の駆逐を最優先とする者たち
  • 「しもべ」:エイリアンを崇拝し、彼らが地球上のあらゆる問題を解決すると信じている者たち
  • 「保護領」:人類全滅を避ける唯一の手段として、交渉による降伏を提唱する者たち
  • 「アカデミー」:エイリアンの到来が、星間同盟を結ぶ好機だと期待している者たち
  • 「イニシアティブ」:破壊と混乱の中で、利益を得ようと画策する者たち
  • 「プロジェクト・エクソダス」:巨大宇宙船の建造により、太陽系から脱出を図る者たち




遠く離れた地での異変、謎の墜落現場、そして急増する失踪者情報──人類とエイリアンとのファーストコンタクトは、我々の見えないところで起きていたのかもしれない。現地のエージェントが目撃情報を検証し、科学者が新たな研究分野の開拓に奔走する中、プレイヤーは次第にエイリアン襲来の真相を知ることになる。

  • 初期の目撃情報やUFOの墜落現場に始まり、巨大生物やロボット軍団を駆使して、非道の限りを尽くすエイリアンたち。プレイヤーである君はすぐに、敵は対立する他の派閥だけではないことに気付くだろう。地球上で勢力を拡大するエイリアンたち。彼らの動向を探るうちに発生するイベントは、プレイヤーに厳しい選択を迫る。エイリアンの起源、この星に襲来した目的、その謎を解き明かすのだ。当然、君が「人類優先」派閥に属し、エイリアンの抹殺だけを考えていなければの話だが…
  • 本作では他の派閥と協力及び競争をしながら、世界規模で研究を進めるシステムが実装されている。また研究の成果を共有することで、民間による開発プロジェクトもアンロックされる。プレイヤーは研究ウェイトを割り振って、自らの派閥における研究に集中させることもできるが、その代償として多国間で行っていた研究は停滞することとなる。さらには、他の派閥に国際研究の方向性を決定づけられるリスクもあるだろう。油断すると、「しもべ」や「イニシアティブ」のような派閥が「推進システム」や「兵器開発」だけではなく、社会の管理方法を確立させる方向に世界を誘導する可能性がある。




物語は地球上からはじまり、プレイヤーである君は自らが選択したイデオロギーに傾倒する影の組織の指導者となる。エイリアンの襲来は目前に迫っているが、最初に対峙しなければならない敵は(おそらく同盟相手も)他の派閥──つまり、他派閥の人間となるであろう。

  • 同じイデオロギーによって結ばれている自らの派閥を導け:『Terra Invicta』には、一般的なストラテジーゲームと大きく異なる点がある。それは「選んだ国家の色で、マップが塗りつぶされないこと」だ。君が導くのは領土によって定義された国家ではなく、自らの派閥である。各地域に存在する軍事、経済、政治的優位性を持つ「コントロール・ポイント」を他派閥と競い合いながら奪い取り、影から支配を拡大するのだ。
  • 地球を制する者が太陽系を制す:勢力下にある国を利用して、他の派閥に代理戦争を仕掛けろ。自身の目的に最も合う形で国を統合・分割し、戦略的に支配を拡げるのだ。各地域は教育レベルや治安、GDP、格差などの設定が詳細に決められている。莫大な富や軍事力を持つ地域を支配することができれば、国際的な発言力は高まるであろう。しかし、ロケット発射施設のあるエリアを確保できなければ、太陽系を巡る戦争に打ち勝つことはできない。
  • 世界中、さらには宇宙に派遣された政治家、科学者、工作員から成る評議会を通じて、自らの野望を実現せよ。評議員の初期能力は経験値による成長のほか、諜報機関や大企業などの強力な組織を傘下に入れることでも向上していく。ベテランの指揮官は、評議会の指揮下で戦術チームを率いる。また、経験豊富な外交官はエイリアンに対抗するための資金確保に尽力してくれるだろう。
  • 同じ志を持つ人々や政治家を探し出し、対立するイデオロギーの信奉者が自らの考えを改めるような行動をせよ。世論は複数の要素で構成されている。たとえば、「しもべ」派閥の『エイリアン崇拝』と「保護領」派閥の『交渉による降伏』という考え方は、エイリアンを支持する点でほぼ意見が合致しているかもしれない。しかし、エイリアンは撃退可能であることを示唆するようなイベントが発生した場合、「保護領」に属する者が「エイリアンへの抵抗は、現実的な選択肢だ」として考えを改める可能性がある。




『Terra Invicta』は、現在の地球と宇宙ストラテジーゲームに登場する強大な星間帝国を結び付けたゲームだ。太陽系は300を超える小惑星、衛星、惑星が常に動き回り、刻々と変化を続ける戦略的なマップとなっている。人類が太陽系を植民地化するための第一歩を踏み出せるかどうかは、プレイヤーの手腕次第だ。

  • 造船所や燃料基地としての宇宙ステーション、高度な資源を獲得するための採掘所、そして研究・建設施設となる基地の設立など、地球の枠を飛び越えて自らの派閥を発展させよ。本作『Terra Invicta』では、太陽系の戦略的地理に焦点を当てている。宇宙とは命令を受けたユニットが単に行き来するだけの孤立した星の集まりではない。小惑星、衛星、準惑星、巨大ガス惑星、その他の天体から構成される多様な変化に富んだ空間なのだ。これらの星々は味わい深い景観を作り出し、あらゆる場面で戦略的価値を生み出す可能性を秘めている。
  • 天体の公転によって、広大なマップは絶えず変わり続けている。同様に、宇宙ステーションや前線基地も常に移動しているため、それに応じた計画を立てつつ、変化する環境に柔軟に適応しなければならない。たとえば、木星の衛星にあったコロニーから遠く離れたエイリアンの軍事拠点や「イニシアティブ」の私掠基地が、気付けば間近に迫っていても不思議ではない。




本作は「未来で実際に起こりうる可能性」をテーマとして探求している。たとえば、「火星を植民地としたらどのようになるのか」、「どのようなエンジンが宇宙船の動力源となりえるのか」、「宇宙における戦争や植民地化はどのように行われるのか」といったことが例として挙がる。「小惑星16サイキ」に豊富な金属資源が埋蔵されていることに気づいたプレイヤーは、もしかするとそこに採掘基地を建設するかもしれない──そして君は、現実の世界においても、NASAが同様の理由で「サイキ」ミッションを計画していることを知ることになるのだ。

  • 宇宙を探検し、最終的に植民地化するためには、多くの資源を獲得しておかなければならない。例を挙げるならば、生命維持や推進剤のための水、製造のための金属、駆動装置や兵器のための核物質などである。初期段階ではそのような資源は地球上でしか集められず、大気圏を脱出するのに必要なロケットの生産コストに悩まされることになるだろう。しかし、時間が経つにつれて、小惑星における採掘など、資源の現地調達という手段を選択できるようになる。
  • 本作『Terra Invicta』における宇宙船のデザインは、科学的仮説とハードSF作品から影響を受けており、両方の良い部分を取り入れている。様々な船体に武器や駆動装置などのモジュールを搭載し、燃料や機動力などの性能を組み合わせて、自分だけの船を設計することが可能だ。
  • 戦術的戦闘はニュートン物理学のリアルシミュレーションによって、設計されており、3D空間における推進力と操縦は自機の火力と同程度に重要となる。ミサイルを発射し、迎撃システムを用いて飛翔体を撃破せよ。機体を加速させ、敵を射程圏内に入れたり、ラジエーターを格納し、放熱を犠牲に敵の弾丸に対する防御性能を高めたりなど、様々な難しい決断に迫られることになるだろう。


本作『Terra Invicta』は、MOD作成によるサポートを受けることを念頭に開発されております。もしプログラムやコードに関する知識がなくても、簡単にゲーム内で利用していただくことができます。「太陽系と地球」──二つの舞台を持つこのシミュレーションゲームが、MOD制作をされる方々のクリエイティブな発想を実現する場としてお役に立てることを願っております。