2023年9月21日～9月24日に千葉県の幕張メッセにて開催されている「東京ゲームショウ 2023（以下、TGS2023）」の、インディーゲームエリア「Selected Indie 80」出展タイトル『Arctic Awakening』のブースレポートをお届けしよう。
アメリカ合衆国のオクラホマシティを拠点とするインディーゲーム開発スタジオ"GoldFire Studios"が手掛ける本作は、遭難した雪山で運命を左右する選択を繰り返す、ストーリー主導のアドベンチャーゲームだ。
今回、TGS2023のブースに出展されている体験版では、ストーリーの導入部分から謎の施設にたどり着くシーンまでを体験することができた。体験版ながら、クオリティの高い日本語も収録されていて内容を理解してのプレイができたことも嬉しいポイントだ。
なお、まだ開発中の内容であり、製品版ではゲームシステムなどに変更が加わる場合もあることはご理解いただきたい。
雪山で旧友の姿を探し求める
本作の舞台となるのは、2062年のアラスカ。謎の天候不良によって物資運搬中に軽飛行機が墜落してしまう。主人公カイは、セラピー・ドローンロボのアルフィーと共に、同乗していた行方不明の旧友ドノヴァンの姿を求めて雪の降り積もった山中を進むことになる。
そこでは、個性的なキャラクターとの出会い、ストーリーが分岐する選択肢、そして雪の下に隠れた謎がプレイヤーを待ち受けているのだという。
トレーラーの印象ではサバイバル要素があるように感じるかもしれないが、本作のゲームシステムは、あくまでストーリー主導のインタラクティブなゲームとなる。
例えば、火を起こして暖を取るというシーンはあっても、それはイベントの一環としてのものだ。雪山での行動もストーリー上の目的に向かうものとなっていて、自由にオープンフィールドを探索できるというわけでもない。だが、だからと言って物足りなさがあるわけではなく、余計な事に気を配る必要のない、ストーリーに集中できるスタイルなのだ。
今回の体験版では、登場人物は主人公とアルフィー、無線越しのドノヴァンの3人だけだったが、要所では選択肢が表れ、友好的だったり、皮肉ぶったり、否定的だったりとその後の関係性に影響を与えそうな内容を選ぶことができた。
やがて、より重要な選択を迫られるシーンもあるのだろう。
スムーズに進めば15分ほどのプレイ時間になると思うが、ドノヴァンを探して雪山を進むうちに謎の施設を発見したところで、体験版は終了となった。
深い事情を抱えているような素振りが垣間見える主人公カイに、裁判所から託されたというアルフィーの存在。そうした、登場人物たちのバックグラウンドはまだ明かされず、推測するには情報が足りない。ラストに目撃した謎の施設も非常に気になる。製品版の完成が楽しみなタイトルだ。
『Arctic Awakening』は、2024年のリリースを目標に現在開発中だ。
開発者インタビュー
ここからは、本作について開発チームより伺った内容を併せてお伝えしたい。なお、今回TGS2023には開発チームは来日していないため直接お話を伺うことは叶わなかったが、PRを担当されているNeon Noroshi社を通じて伺った形だ。
【質問】開発を始めたきっかけを教えてください。
もともとストーリーを表すということに取り組んできましたが、ストーリーテリングの手段として、ゲームという形での表現方法に可能性を感じたためです。
【質問】影響を受けた作品はありますか？
ゲーム作品としては、『Firewatch（ファイアー・ウォッチ）』や『ライフイズストレンジ』に近い雰囲気を持っていますが、実際に影響を受けたのは、アメリカ合衆国のテレビドラマ『LOST』です。
例えば、本作にはトランシーバーでの会話シーンが登場しますが、何気ないやり取りが実は重要なストーリー分岐に影響するというような描写があります。
【質問】開発期間は？
開発チームは5名体制で、開発期間は約4年です。
【質問】ゲーム全体のボリュームはどの程度を予定していますか？
今回試遊できる体験版で、全体の5%といったところです。もちろんプレイヤーによって進捗速度は違うので幅は出ますが、そこから想像していただければ。
【質問】体験版には品質の高い日本語が実装されていましたが、翻訳を担当されているのは？
Neon Noroshi社が翻訳を担当しています。
| 基本情報 | Arctic Awakenin |
|---|---|
| 開発 | GoldFire Studios |
| 販売 | GoldFire Studios |
| 配信日 | 2024年予定 / 日本語有り |
| 定価 | 未定（Steam） |
