Indie Gemは、リリースを控える期待の作品群から、明日を煌めく原石のようなタイトルを発掘し、デモ版を元に紹介していくコーナーです！

『Expand & Exterminate: Terrytorial Disputes - Endless Base Defense』は、ユニークなシステムを採用したタワーディフェンスゲームだ。

舞台となるのは近未来の戦場。敵軍はポータルを経由して、自軍の本部を破壊すべく進軍してくる。それを阻止するため、進行ルート上に防衛タレットを配置して迎え撃つのがプレイヤーの使命だ。

ここまでならば、一般的なタワーディフェンスと何ら変わるところはない。
本作の個性を際立たせるのは、領土拡張や鉱脈採掘、電力供給、技術研究といった、他ではあまり見ない要素が取り入れられている点だ。各要素について、詳しく見ていこう。

もっと距離取ってくださーい

まずは、領土拡張についてだ。相手の立場で考えれば当然だが、敵軍が出現するポータル（紫のドーム）は、本部の目と鼻の先に存在する。このままゲームを開始すれば、数秒も経たないうちに壊滅必至である。

そこで重要となるのが「領土拡張（Expand）」だ。資金を投じることでマップが拡張。ポータルを本部から遠ざけることができるのである。もちろん、敵の進行ルートも延長されるため、より防衛網を構築しやすくなるだろう。

拡張されたマップ内には、ジェム鉱脈（緑色のオブジェクト）が含まれることがある。敵を撃破しても資金が増えない本作において、唯一の収入源がこの鉱脈の採掘だ。隣接する場所に採掘施設を建てることで、定期的に収入が得られるようになるのである。これも、一般的なタワーディフェンスとは異なる点だろう。

技術研究が勝利の鍵

ポータルとの距離が確保できたなら、次は防衛網の構築だ。敵の進行ルート上にタレットを配置して、進軍を妨げよう。

ただし、タレットを含む大半の施設は、稼働に電力を要求する。発電施設を建て、必要な電力を補おう。電力不足はタレットの機能停止を招くため、電力の供給状況には十分に注意を払っておく必要があるだろう。

敵軍は、時間の経過と共にその質と量を増していく。対処するためには、防衛の要であるタレットの強化が必要だ。そこで重要となるのが、資金を投じて行う技術研究である。

対空砲や、対装甲砲といった特殊タレットのアンロック、既存タレットの攻撃レート上昇、さらには電力や採掘設備の性能強化など、さまざまな技術が用意されている。研究が終われば、即座に全施設へアップグレードが適用される点も、比較的珍しいシステムと言えよう。

新たな刺激を求める方に！

ここまで見てきたように、本作はタワーディフェンスというジャンルに、多くの独自要素を取り入れた異色作だ。たとえ本部を破壊されたとしても、敵撃破時に得た経験値は残る。この経験値を消費して新技術をアンロック。前より少しでも長く生き延びるべく、新たな戦いに身を投じよう。

タレットの配置はもちろん、技術研究や領土拡張のタイミングなど、考えるべき事柄は多い。しかし、戦略を工夫して、以前よりも戦いを優位に進められたときに、自身の成長を実感できるはずだ。既存のタワーディフェンスに飽きた方にこそ、試してほしい一本である。

なお、本稿はデモ版を元に執筆しており、製品版リリース時にシステムの一部が変更される可能性がある点についてはご留意いただきたい。