真っ赤な目をした母親にバレないようにレトロゲームのクリアを目指すステルスホラー『Time for Bed - 夜ふかしの悪夢 -』ブースレポート【DREAMSCAPE#2】

ばんじーよこすか

2024/09/13

2024/09/14

2024年9月7日、東京・秋葉原にてホラーゲーム限定のオフラインイベント「DREAMSCAPE#2」が開催された。

DREAMSCAPE
新しい才能を発掘する、インディーゲームイベント

DREAMSCAPEは、毎回特定のテーマに基づいたインディーゲームを展示するオフラインイベント。2回目の今回は「ホラー」をテーマにしており、参加タイトルは、表現や描写によって3つの区分Green・Yellow・Redに分けられている。各区分の定義は以下のとおりである。

  • Green:軽度の暴力表現あり、もしくは暴力表現なし。流血表現なし。
  • Yellow:暴力・流血表現あり。ただし、極端なゴア表現や成人向けのコンテンツはなし。
  • Red:全年齢層向けではないコンテンツ(極端な暴力表現、ゴア表現、成人向け)あり。

本稿では、最も表現が穏やかな作品が集められたGreenコーナーから、筆者が実際に試遊して気になったタイトル『Time for Bed - 夜ふかしの悪夢 -』をご紹介しよう。

お母さんにバレないようにゲームをクリアしよう

Time for Bed - 夜ふかしの悪夢 -』は、夜中にお母さんに見つからないようにレトロゲームをプレイする一人称視点のステルスホラーゲームだ。開発はNERDY PENGUINが手掛ける。

プレイヤーは、真っ暗な悪夢の中にいる少年だ。彼は、ベッドで携帯ゲーム機を手にしており、どうしてもゲームをクリアしたい様子。しかし、真っ赤な目をしたお母さんが部屋にやって来て、少年がきちんと寝ているかを定期的に確認する。

お母さんに見つからないように注意をしながら、レトロゲームをクリアし、悪夢から目覚めるのが本ゲームの目的である。

Steam:Time for Bed
夜ふかしがお母さんにバレたら、一瞬で全てが終わる──。あなたは悪夢の中で寝たフリをしながらお母さんの監視をやり過ごし、手元のゲームをクリアしなければいけません。【ジャンル:一人称視点ホラーステルスゲーム】
▲画面右端にお母さんがいます…。

少年はときどき様子を見に来るお母さんの動きを確認しながら、レトロゲームをクリアしなければならない。具体的には、足音を頼りにお母さんがどの辺りにいるか、カメラを確認してどこを見ているかをチェックしながら、レトロゲームをプレイしていく。

お母さんがこちらを見たり枕元まで近づいてきたりしたら、寝たふりをしてやり過ごすことができる。ただし、寝たふりを長時間続けていると少年の不安な気持ちが募り、視界がぼやけてしまう。そのため、できる限り寝たふりをせずにゲームをプレイしたほうよさそうだ。

その他に、うそのイビキをかくモードも登場。リズムよくボタンを押して上手にイビキをかいてお母さんをだましてみよう。

▲お母さんが、いる…!
▲タイミングを合わせてイビキボタンを押さなければ…!

携帯ゲーム機でプレイできるゲームは、レトロさを感じられるアクションゲームやシューティングゲームなどついつい熱中して画面に夢中になってしまうものばかりだ。また、携帯ゲーム機の色をカスタマイズできるのも、プレイヤーとしては嬉しいポイントである。

今回は筆者も実際にプレイさせていただいた。ダッシュで近づいてくるお母さんにびっくりして思わず「うぉおお!」と叫んでしまった。お母さんに見つかってゲームオーバーになっても、次こそは上手くやるぞ! と何度もリトライしたくなる中毒性がある。

▲お母さん、いったん落ち着いてください

ここ数年、ゲームや映像作品、本などで、さまざまなタイプのホラーを楽しめるようになってきた。幽霊や未知の怪物などの怪奇現象が登場する従来のホラーの人気は根強い一方で、理解不能であったり狂気的であったりする人間が登場するいわゆる「人怖」や、SNSやwebサイトを活用したドキュメンタリー風のモキュメンタリーもトレンドだと言えるだろう。

本作に出てくる恐怖の対象は、オバケや殺人鬼ではなく「悪夢の中のお母さん」である。小さい頃、親に隠れてゲームをしたり、夜ふかしをしたりした経験がある方も多いのではないだろうか。本作は、あの時のスリルを思い出させる、人怖とも怪奇現象とも形容しがたいユニークな体験ができるゲームである。

開発者インタビュー

本作を手掛けたのは、ゲーム開発チームNERDY PENGUINだ。ゲーム&レベルデザインはHAYATOSKIE氏、プログラミングはDAMEGANE氏が担当されている。今回、チームのリーダーであるHAYATOSKIE氏にお話をうかがった。

HAYATOSKIE氏は、iGi indie Game incubatorの第3期生でフリーデザイナーとしても活動中だ。本作のコンセプトが生まれたきっかけをおたずねしたところ、興味深いお話をうかがった。それは、HAYATOSKIE氏がカナダに留学中の出来事なのだそう。

カナダの語学学校の授業中に、チリ出身のクラスメートが「お母さんに隠れてテレビを見ていた」という幼い頃の思い出を披露したことがあった。すると、そのクラスに参加していた世界各国のクラスメートが、みんな口を揃えて「自分も同じような経験がある!」と言ったそうだ。そこで、これをゲームにしたらたくさんの人が楽しんでもらえるのではと考え、本作を計画したとのこと。

そんな万国共通の体験がホラーステルスゲームに昇華した本作『Time for Bed - 夜ふかしの悪夢 -』は、2024年内に発売予定。プレイできるレトロゲームが異なる3つのステージが盛り込まれる予定だ。

心霊現象のようなホラーは苦手だけれど、友達と一緒にワーキャーと声を出しながらスリルを味わいたい方、レトロゲームを久しぶりにプレイしたい方、マルチタスクには自信があるという方におすすめの作品だ。気になる方はウィッシュリストに登録しておこう。

Steam:Time for Bed
夜ふかしがお母さんにバレたら、一瞬で全てが終わる──。あなたは悪夢の中で寝たフリをしながらお母さんの監視をやり過ごし、手元のゲームをクリアしなければいけません。【ジャンル:一人称視点ホラーステルスゲーム】
基本情報 Time for Bed - 夜ふかしの悪夢 -
開発 NERDY PENGUIN
販売 NERDY PENGUIN
配信日 2024年
定価 未定(Steam

この記事で紹介されているゲーム

Time for Bed

シミュレーション

インディー

アクション

Coming soon
日本語対応