素材をクラフトして謎を解く独特の世界観が魅力的な2Dホラーアドベンチャーゲーム『RaidKids』ブースレポート【DREAMSCAPE#2】

ばんじーよこすか

2024/09/09

2024/09/14

2024年9月7日、東京・秋葉原にてホラーゲーム限定のオフラインイベント「DREAMSCAPE#2」が開催された。

DREAMSCAPE
新しい才能を発掘する、インディーゲームイベント

DREAMSCAPEは、毎回特定のテーマに基づいたインディーゲームのみを展示するオフラインイベント。第2回目を迎えた今回のテーマは「ホラー」だ。参加タイトルは、ゲーム内の表現や描写によって3つの区分Green・Yellow・Redに分けられており、各区分の定義は以下のとおりだ。

  • Green:軽度の暴力表現あり、もしくは暴力表現なし。流血表現なし。
  • Yellow:暴力・流血表現あり。ただし、極端なゴア表現や成人向けのコンテンツはなし。
  • Red:全年齢層向けではないコンテンツ(極端な暴力表現、ゴア表現、成人向け)あり。

本稿では、暴力表現や流血表現を含む作品が集められたYellowコーナーから、筆者が実際に試遊して気になった注目タイトル『RaidKids』をご紹介しよう。

仮面を被った少年と少女の物語

RaidKids』は、ストーリーリッチな2Dホラーアドベンチャーゲームだ。開発はAury氏が手掛ける。今回は本作のデモ版をプレイさせていただいた。

舞台は、暗闇に包まれたディストピア。薄暗く不気味な森には、正体不明の何かが蔓延している。主人公は謎のガスマスクを被った少年だ。この少年がなぜガスマスクをしているのか、そしてこの森の正体は何なのか…。

森の中にあるさまざまな素材を集めて、クラフトした新しいアイテムを使って目の前のパズルを解き、前に進むことで物語の真相が明らかになっていく。

Steam:RaidKids
この世界は、何も残してはいけない。

本作は2Dの横スクロール型で画面左から右に進んでいく。道端にある木や岩にインタラクトすると、棒や石などの素材を収集できる。集めた素材はクラフトすることで、釣り竿などの道具に変えることが可能だ。このような道具を用いて、素手では進めなかった道を切り開いたり、周りを彷徨うキャラクターの困りごとを解決させたりして、物語を進めていこう。

デモ版では、拾った素材から釣り竿をクラフトして、崖の下の方に落ちたぬいぐるみを拾ったり、火炎瓶をクラフトして謎の門番に道を通してもらったりすることができた。

▲謎の「マキシマム・オンザ・ディルアート」が村まで連れて行ってくれと言う
▲クラフト可能なアイテムは徐々に増えていく

本作では、クラフト要素と謎解き要素の組み合わせが非常にユニークだ。クラフト要素は、キャラの能力を強化するなどのアクションに紐付けられているのではなく、目の前に立ちはだかる謎・パズルを解き明かすために存在している。

そのため、時に少し前のエリアに戻って素材を収集し直すことも求められる。集めた素材を使って道具をクラフトし、出来た道具を使って謎を解きながら前に進んでいく。クラフトが謎解きに深みを与えており、前に進むたびに達成感を味わうことができるのだ。

▲クラフトした釣り竿でぬいぐるみを釣り上げた!

デモ版で最後に少年がたどり着いた場所は教会。そこには、口が両耳の上まで大きく裂けた異形の花嫁がいた。道中でクラフトした武器を装備して、いざ対戦! このボスである花嫁のデザインと動きが、非常にトリッキーで不気味だ。

筆者は、花嫁の動きに圧倒されているうちに瞬殺されてしまったが、教会の場面からリトライして無事に倒すことができた。 一体この花嫁になにがあったのか、筆者としては非常に気になる。少年がマスクを被っている理由も花嫁の秘密も全ては、製品版をプレイしたら明らかになるとのこと。製品版の発売が待ち遠しい。

▲ステンドグラスから漏れる光が不気味な教会
▲ウエディングドレスも髪型もボロボロのこの花嫁に何があったのか…

開発者インタビュー

本作はAury氏がプログラム、イラスト、アニメーションなどを全て1人で手掛けており、エフェクトのみを外注されているそうだ。

はじめに、Aury氏に本作の特徴についてうかがった。クラフト要素があるパズルプラットフォームゲームである点が最大の特徴とのこと。ゲーム内にある素材を集めてクラフトしたものを使って謎を解く点については、上述のとおり筆者も一番魅力的だなと感じたところでもある。

さらに、ストーリーにも注目してほしいとのこと。本作に関しては、スピンオフ作品『SYON』がすでに発売されているが、メインストーリーとしては、本作を含め三部作の構成となっている。本作以外の2作は今後開発予定で、メインストーリー自体はすでにできあがっているのだそうだ。

Steam:SYON
異変を見つけて撃退する2Dホラー。 幽霊の能力と少女のランタンを照らして撃退しよう。

Aury氏は、現在エンジニアとして活動されている。ご家族の影響で3歳のときには『ドラゴンクエストⅢ』をプレイしていたとのこと。新卒で今とは全く別の仕事をしながら、3年間独学してエンジニアになったそうだ。

また、映画監督ティム・バートンがクリエイトする怖くてかわいい世界観が大好きとのこと。本作の不気味で個性的なキャラデザインが演出する独自の世界観からは、ティム・バートン作品の世界観にも通じるものが感じられる。

本作の発売は、2025年春頃を予定しており、プレイ時間は5~6時間程度、価格は600~700円前後を想定しているそうだ。2024年10月頃にはデモ版が配信予定だ。

RaidKids』は、アクションゲームが苦手なプレイヤーにも優しい難易度設定でありながら、クラフトや謎解きの要素がしっかりと組み込まれている。探索やクラフト、謎解きやパズルゲームが好きな方は、ぜひウィッシュリストに登録しておこう。

Steam:RaidKids
この世界は、何も残してはいけない。
基本情報 RaidKids
開発 Aury
販売 Kids Production
配信日 2025年春頃予定
定価 未定(Steam

この記事で紹介されているゲーム

SYON

シミュレーション

カジュアル

アドベンチャー

インディー

2024年4月30日
日本語対応
¥470

RaidKids

アクション

アドベンチャー

カジュアル

インディー

2025
日本語対応