2024年9月7日東京・秋葉原にてホラーゲーム限定のオフラインイベント「DREAMSCAPE#2」が開催された。本稿では、本イベントの概要やプロデューサーのインタビューをお届けしよう。
DREAMSCAPEは、個人や小規模スタジオが手掛けるインディーゲームを紹介・発信するイベントである。2024年4月に第1回のイベントが大阪で開催された後に、テーマ特化型のインディーゲーム展示イベントに進化した。
第2回となる今回のテーマは「ホラー」。恐怖、驚き、不安、嫌悪感などの感情を引き起こすことを目的としたゲーム、または、それらの要素を含むゲームという定義のもとで、当日はホラーゲーム52タイトルが展示された。
本イベントは15時から21時に開催され、会場内はホラーゲームの雰囲気を演出するように照明は抑えられていた(写真では明るく見えるが、実際の会場にいるとはっきりと暗いと感じられた)。入口には、出展作品のポスターが並べられた。
参加タイトルは、ゲーム内の表現や描写によって3つの区分Green・Yellow・Redに分けられ、全年齢層向けではないコンテンツを含むタイトルは、全長11mの壁面で覆われたRed Band Areaで展示された。
筆者が開場時間を少し過ぎた頃に到着すると、入場を待つたくさんのホラーゲームファンの方々が長い列を作っていた。オフラインイベントでは、開場直後は比較的入場者が少ない印象がある。しかし、今回は土曜日の15時という少し遅い時間に開場されたこともあってか、開場から数時間は試遊をしたい方々の列がたくさんできていた。結局、閉場間際までどのブースも試遊の席がほぼ埋まっている状態だった。
特に印象的だったのは、女性の来場者の方の多さ。会場のあちらこちらから、「きゃー!」や「うわあああ!」といった叫び声が聞こえたのもホラーゲーム特化のイベントならではである。会場にいた方々がその叫び声を好意的に受けとめていたことからも、ホラーゲームファンによるホラーゲームファンのための空間ができあがっていたと言えるだろう。
また、本イベントのもうひとつの大きな特徴として、全展示作品が試遊できる点が挙げられる。ホラーゲームはとりわけ一人称視点の作品が多いジャンルであるように思う。だが、一人称視点の作品の場合、画面酔いが心配でなかなか購入に踏み切れない方もいらっしゃるかもしれない。今回展示された作品を実際に試遊してみて、気になった作品はその場でウィッシュリストに入れたり、すでに販売済みの作品については購入したりすることも可能になっていた。
「とにかくとがったイベントを開催したい」
本イベントのプロデューサーである株式会社トライシステムの中田隼斗氏にお話を伺った。通常オフラインイベントでは、出展するゲーム開発者が出展料を支払うのが一般的だが、本イベントの出展料はなんと無料。中田氏によると、ゲームこそが本イベントの主役であり、ゲームがないと本イベントは成立しないからとのこと。開発者の方々への大きなリスペクトと、インディーゲームを支援していきたいという強いパッションが感じられた。
本イベントの一番のこだわりは、Red Band Areaの全長11mのスペースのデザイン。入口は、PVCという分厚い黄色いシートで覆われていた。このシートはかなり重厚感があり、他のスペースとは異なる特別な期待感を高める演出となっていた。
また、ウェブページにはホラーを演出する仕掛けが施されている(気になる方はこちらからウェブページを見に行って、じっくり眺めてみてほしい)。パンフレットやグッズは非常にデザイン性が高く、思わず手に取ってみたくなるものばかり。商品化された暁にはぜひ購入したいと感じた。
今回のテーマを「ホラー」にした理由としては、DREAMSCAPEでしか味わえない体験を提供したいという思いがあったとのこと。今回、想定よりもかなり多くの方が来場されたこともあり、来年も「ホラーゲーム」限定のイベントを開催することに決定したそうだ。そのほかにも、今回のような展示スペースではなく、一見ゲームとは親和性が高くない特殊な場所でイベントを開催することも企画中。今後の正式発表を待ちたい。
次回のDREAMSCAPEは、2025年1月から3月頃に開催予定で、夏にはホラーイベントが予定されている。いずれも、DREAMSCAPEでしか味わえないユニークなイベントを企画中ということ。気になる方は、公式Xをフォローして続報を待とう!
基本情報 | DREAMSCAPE |
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Web | https://dreamscape-game.com/ |
公式X | https://x.com/game_dreamscape |
公式note | https://note.com/dreamscape2024/ |