本稿は事前にレビューキーをご提供いただいたタイアップ記事です。
『ザ・クラッシュ・ハウス』は、90年代の大人気リアリティ番組のプロデューサーとなり、出演者の撮影や演出を行う恋愛リアリティ番組シミュレーションゲームだ。本作を手掛けたのは、『Reigns』シリーズや『Card Shark』などのシミュレーションゲームを開発してきたスタジオ"Nerial"である。
リアリティTV番組は、1990年代にイギリスやオランダで誕生し、その後アメリカや日本を含む世界各地で大ヒットを記録した。特に日本では、恋愛リアリティ番組が高い人気を誇り、今では地上波テレビ番組や動画配信サービスの定番ジャンルとなっている。そんなリアリティ番組発祥の地イギリスを拠点とするスタジオが手掛けた本作をご紹介しよう。
恋愛リアリティ番組の新人プロデューサーに大抜擢！
本作の舞台は、1999年のマリブのビーチに建つ豪邸で繰り広げられる大人気の恋愛リアリティ番組「ザ・クラッシュ・ハウス」だ。
主人公ジェー・ヒメサス・ジャンは、人気番組「ザ・クラッシュ・ハウス」の新人プロデューサーに抜擢され、豪邸クラッシュハウスで出演者と共同生活をスタートする。プロデューサーとしてプロダクションアシスタントのアドバイスに従い、撮影や演出をしながら最後まで番組を存続させるのが本作の目的である。
番組作りはキャスティングから
番組プロデューサーとしての仕事は、シーズン1の出演者を選ぶところから始まる。出演者の候補は全部で12人。各候補者は個性豊かで、好きな物や人、嫌いな人のタイプもさまざまだ。
たとえば、ハイトーンヘアの女性プリシラのキャッチコピーは「不安定な金持ちの子」。彼女は天才や名声、ポップカルチャー、昔ながらのロマンスが好きだが、気のないフリをする人や批判、冷酷な事実が嫌いだという。一方で、ピンクのベリーショートのディヤは、「女王のような元モデル」で、心を読む人や追われること、無条件の愛が好きで、社交的な人やくだらないこと、対立が嫌いな女性である。
他の候補者も、「フランスの色男」や「神経質なイギリス人のオタク」「太陽と虹の女子」など、いかにも恋愛リアリティ番組に登場してきそうなクセの強いメンバーばかり。そんな12人の中から視聴者の好みや自分が撮りたい番組をイメージしながら4人を選ぼう。
たとえば、問題児ばかりを集めたテレビ番組『ガチンコファイトクラブ』のように、仲良くなるまで少し時間がかかりそうなメンバーをキャスティングしたり、1人の男性が25人の女性の中から1人を選ぶ恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』のように、1人の男性と3人の女性をキャスティングしたりすることも可能。すべては、プロデューサーであるあなた次第だ。
コメントを見て視聴者の満足度を上げよう！
シーズン1の出演者を選んだら、番組がスタート。カメラを持って実際に撮影を始めよう！ 撮影した映像はそのまま放送され、視聴者のコメントもリアルタイムで表示される。「もっと〇〇を見たい」といった視聴者の要望に応えると、「視聴者の満足度」が上昇する仕組みだ。
また、撮影日ごとに満足度目標が設定されており、目標を達成できなければ番組は打ち切りになる。そのため、視聴者のコメントは注意深くチェックしなければならない。
視聴者のコメントには、「カメラを切り替えるべき」などの具体的なリクエストもあれば、抽象的な意見もある。プレイヤーは、どのような映像が視聴者を満足させるかを分析し、番組が打ち切られないように努力しなければならないのだ。
各視聴者は特定のグループに属している。たとえば、「ドラマクイーン」というグループの視聴者は、とにかく感情的でドラマティックな映像を好む傾向がある。出演者のいざこざやイチャイチャを撮影すれば、ドラマクイーンの満足度は上がる。
番組が進むにつれて、「映画選考の学生」や「のぞき魔」、「郊外に住むママ」、「造園愛好家」などさまざまな視聴者のグループがアンロックされる。グループは、コメントの左端のアイコンで確認できる。たとえば、お花のアイコンは「造園愛好家」の印なので、彼らは庭やお花に関係する要望をコメントしているかもしれないと予想することができる。
カメラを使いこなそう！
視聴者の要望に応えるためには、カメラの操作技術が非常に重要だ。主人公が持つカメラには、ズーム機能や「ターゲットをロック」機能が搭載されており、特定の人物にフォーカスして撮影することもできる。カメラを上手く活用して、出演者の表情やしぐさ、感情の機微を撮影してみよう。
クラッシュハウスには、広々とした庭やプール、リビングルーム、トレーニングルームなどさまざまな場所がある。出演者たちの会話を逃さないように彼らのそばにいたくなるが、あえて少し距離を取ったり、背後から撮影したりしてみよう。視聴者が満足するような少し趣の変わった映像が撮れるかもしれない。
そして、1日の撮影が終わった後には、その日の番組の評価が表示される。視聴者数や収入、出演者のステータスなどを確認して翌日以降の撮影につなげよう。番組が進むにつれて、視聴者の要望が増えていく。出演者たちの喜怒哀楽をどんどん記録して、番組の評価を上げていこう。
視聴者に合わせたCMを流して広告料を稼ごう！
番組を成功させるためのもう1つの重要な要素は、スポンサー企業からの広告収入だ。プレイヤーが撮影していないとき、視聴者が見るテレビ画面では企業のCMを流すことができる。ただし、CMは最後まで流さないと広告料が支払われない。
番組の回を追うごとに新しいCMがアンロックされるので、番組を見ている視聴者に合ったCMを選ぼう。そうすると、視聴者の満足度が上がって番組の収益も上がる。CMは流れるごとに価値が下がってしまうので、やみくもにCMを流していても広告料は稼げない。
なお、稼いだ広告料は、クラッシュハウス内に設置する小道具の購入にあてることができる。小道具を設置すると、出演者たちの新しい会話が生まれ、番組の雰囲気は盛り上がり視聴者を飽きさせない番組作りへとつながる。そのためにも、タイミングを見計らって適切なCMを流すことが大切だ。
番組を見る側ではなく作る側としての新たな体験
本作の難易度は、以下のように設定されている。
- カジュアル：番組の打ち切りがなく、クラッシュハウスの出演者の人間模様を撮影する。
- ノーマル：視聴者の満足度目標を達成しないと番組が打ち切りになる。ただし、打ち切りが決まった段階でリトライが可能。
- ハードコア：毎日全ての視聴者を満足させないと番組は打ち切りになる。リトライも不可。
ちなみに、筆者はノーマルモードでプレイしてみた。最初はなかなか視聴者を満足させることができず、何度も番組を打ち切りになってしまった。しかし、カメラの使い方や撮影方法に慣れてくると、徐々に視聴者を満足させることができるようになり、プレイが一層楽しく感じられた。
プロデューサーとしてプレイヤーが担当する役割は、出演者の選定や収益管理、撮影、ディレクションと多岐にわたる。さらに、恋愛模様や人間関係を観察し、それを視聴者にどのように見せるのかを考えることも求められる。
一方で、ゲーム全体の少しレトロでポップな雰囲気は、大人向けのテーマを柔らかくしており、気軽に楽しめるような演出も随所に盛り込まれている。コンテンツの厚みと、ピンクを基調としたカートゥーン調のグラフィックが絶妙なバランスを保っている点が、本作の最も特徴的な点だと言えるだろう。
そして、視聴者の声に反応して撮影をしていると、視聴者の喜ぶ様子がコメントや画面の演出で確認できる。これまでさまざまなリアリティ番組を見てきた側だった自分が、作り手として視聴者を楽しませることができるなんて！ 本作で作り手として番組製作をするという新しい体験が味わえた。
恋愛リアリティ番組のディレクターとなって番組を製作するシミュレーションゲーム『ザ・クラッシュ・ハウス』は、Steam版が絶賛発売中だ。恋愛リアリティTV番組が好きな方、一風変わったシミュレーションゲームをプレイしてみたい方におすすめの作品だ。気になった方は、ぜひチェックしていただきたい。
| 基本情報 | ザ・クラッシュ・ハウス |
|---|---|
| 開発 | Nerial |
| 販売 | Devolver Digital |
| 配信日 | 2024年8月10日 |
| 定価 | 1,900円（Steam） |
