2024年7月19日~21日(一般公開日は20~21日)にかけて、京都みやこめっせにて開催された日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit Drift(ビットサミット ドリフト)」の出展作品より、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップしてご紹介しよう。
なお、基本的にはリリース前の開発中のタイトルや、リリースから間もないタイトルを対象としている。
世界の滅亡をかけ、釣りで運命に立ち向かえ
『Sea Fantasy / シーファンタジー』は、陸地のほとんどが海中に没したファンタジー世界を舞台に、釣りによって世界を救うことを目指すアクションRPGだ。日本のゲーム開発スタジオ"株式会社メタスラ"が手掛ける。
本作の主人公は、戦争によって大部分が水没した世界で、釣りをするために旅に出た田舎の島出身の青年ロッドとアクセル。傷を負った龍と出会ったことをきっかけに、戦争に利用された生物兵器「黒龍」の復活阻止に協力することとなる――というストーリーだ。
今回会場ブースでは、チュートリアルとストーリーが中心となる内容と、ゲームシステムを中心とする内容に試遊体験版が分けられていたので、筆者は後者をプレイさせてもらった。
本作のゲームシステムは、さまざまな種類からなる「シーアズ(SeaAZ)」と呼ばれる海洋生物を釣り上げ、それを素材とした装備を入手することで釣りの力を蓄え、より強力な獲物へと挑んでいくというもの。
釣りそのものは水場に面していればどこでも実行可能で、大部分が海中に没したこの世界ならば釣り場には事欠かない。水中の魚影に向けて釣り糸を投げれば比較的すぐにヒットするので、そうなればシーアズとのバトルだ。
ゲージメーターのようなものが表示され、そのゲージ内で左右に振れるカーソルを止めれば相手にダメージを与えられる。逆にゲージ外で止めてしまうとこちらがダメージを負う。タイミングを見て、小さな幅のゲージ内に止めることができればクリティカルヒットも生まれる。
そうしてシーアズの体力を削りきれば釣り上げることができ、めでたく素材をゲットということになる。手に入れた素材をベースにクラフトすることで、新たな竿やルアー、衣類といったアイテムが入手でき、より強力なシアーズに挑むことが可能となる。
世界は船に乗って自由に移動できるので、自身のレベルにあったシーアズが棲息する地域で準備を整えて、強力な相手に挑むこととなるが、各地にはボスクラスのシーアズも棲息。
孤島のダンジョンに潜むボス戦の直前には、例えば四方八方に放たれる弾を一定時間避けきるといったようなミニゲームが用意されていて、隙を見せた相手に対してすかさず釣りに持ち込む――という緊迫したシーンも見られた。
筆者は挑戦も兼ねてスタート直後の装備のままで挑んでみたが、ゲージの狭さとカーソル移動の早さに対してちょうど良い位置で止めるということが難しく、しっかり準備を整えて挑まなければならないことを実感させられる戦いだった(もちろん負けた)。
会場では、開発者の中島克征氏と飯島悠汰氏にお話を伺うことができたが、RPGらしく地道に主人公を成長させていくことで誰でも楽しめる作品ではあるものの、目押しのようなものに自信があれば低レベル攻略が可能で、やりこみ要素的な側面もあるとのこと。
また、今回筆者が触れなかったほうの体験版ではその一端が見られたようだが、ストーリーにも力を入れていて5万ワード以上のテキスト量があるそうだ。
RPGのミニゲームと言えば昔からなぜか「釣り」と相場が決まっているが、釣り自体がRPGの主役というのはユニーク。単純な釣りゲーではなく、そこにストーリーがあり、成長要素が加えられることで着実に冒険を進めていく感触はまさにRPGだ。
現在Steamからも体験版をプレイできるので、興味のある方はぜひこの世界に触れてみてはいかがだろうか。『Sea Fantasy / シーファンタジー』は、2025年2月のリリースに向けて鋭意開発中だ。
基本情報 | Sea Fantasy / シーファンタジー |
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開発 | METASLA |
販売 | METASLA |
配信日 | 2025年2月 / 日本語有り |
定価 | 未定(Steam) |