Indie Gemは、リリースを控える期待の作品群から、明日を煌めく原石のようなタイトルを発掘し、体験版を元に紹介していくコーナー!
『The Alters』は、危険な惑星に不時着した男の奇妙なサバイバルの日々を描くSFサバイバルアドベンチャーゲームだ。ポーランドのゲーム開発スタジオ"11 bit studios"が手掛ける。
これまで『This War of Mine』や『Frostpunk』など、過酷な状況下におけるモラルとリアリズムを追求し、高い評価を得た同スタジオの期待の最新タイトルとなる本作。本稿ではその体験版の模様をご紹介しよう。
移動基地を使って過酷な惑星でサバイバル
主人公のヤン・ドルスキーは、宇宙開発企業に属する平凡な労働者。宇宙船が事故に巻き込まれ、墜落した脱出ポッドで目覚めるとそこは荒涼とした風景が続く謎の惑星だった。辺りに生存者の姿はなく、彷徨い歩くうちにたどり着いた「移動基地」を拠点に、この星からの脱出を目指していくというストーリーだ。
ヤンが不時着した惑星は、一定周期で太陽から死の粒子が一帯に降り注ぐという過酷な世界。以前この惑星に居た調査チームが残した移動基地を稼働させ、安全地帯へと逃げながら、なんとかして脱出手段を探っていかなければならない。
拠点となる移動基地は「モノホイール」と呼ばれる一輪走行のバイクを巨大化したような形状で、さまざまな設備をモジュール化して配置・拡張していくことが可能。それ自体が移動可能だが、まずは基地周辺を探索し、資源や燃料を見つけ出す必要がある。
周辺を探索すると資源採掘が可能なポイントが見つかるので、それらを利用して基地の設備で機材をクラフトし、さらにその機材を使って燃料を掘削。そこから基地まで補給ラインを伸ばしてエネルギーを確保することで、ようやく基地を移動させる算段が整う。
なお、サバイバルと言えばオープンワールドをイメージされることが多いと思うが、体験版では限られたエリアの中で決まった採掘ポイントを巡って準備を整えていく流れとなっていて、移動基地が動けば別のエリアへ移るような流れだ。
こうなるとどのプレイヤーも同じ体験をなぞりそうに思うが、体験版の内容はあくまで本作のチュートリアルにあたるプロローグ部分。製品版で描かれるそれ以降のチャプターでは、より自由度が増すことに期待したい。
自身のクローンと共に脱出を目指せ
そうして準備を整え、いざ移動基地を動かそうとしたところで動力炉が故障。平凡な労働者に過ぎないヤンには手の打ちようがない。そこで登場するのが、本作のユニークな要素となるクローン技術。
基地内に設けられた「量子コンピュータ」によって自分自身の過去を振り返り、これまでの人生におけるターニングポイントを見つけ出し、有り得たかもしれない別の人生をたどった自分の複製を作り出すのだ。
こうして、機械工学に精通した"ヤン・テクニシャン(技能者)"が生み出され、彼の力によって動力炉は修復され、無事安全地帯へ向かって基地は発進することができた。――いまいち何が起きてるかわかりづらいかもしれないが、量子論的アプローチから生み出されたこの発想は、SF作品ならではといった感じでとても面白い。
便宜上クローンという言葉を使ったが、作中では物事の変化や変質を表す「アルター」と呼ばれていて、別の人生をたどった彼はヤンであって同じヤンではない。異なる性格や価値観を持っている彼らと、コミュニケーションを重ねて円滑な関係を築いていくことも本作の重要な要素となるようだ。
今回の体験版は、この状況に当惑しているのか心を閉ざしたように会話をしようとしないヤン・テクニシャンと、キッチンモジュールでの食事を通じて打ち解けた雰囲気を見せたところで終了。本稿ですべてを伝えているわけではないが、ここまでに垣間見えているさまざまな謎が製品版のストーリーを期待させる内容となっていた。
『The Alters』は2024年内リリースを目標に鋭意開発中。体験版はSteamからプレイ可能なので、気になった方はぜひその内容に触れてみていただきたい。なお、製品版では日本語をサポートするが、体験版は英語と中国語(簡体)のみとなる点には注意してほしい。
基本情報 | The Alters |
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開発 | 11 bit studios |
販売 | 11 bit studios |
配信日 | 2024年 / 日本語有り |
定価 | 未定(Steam) |
未定(Epic Games) | |
未定(PlayStation 5) | |
未定(Xbox Series X/S) |