本稿は事前にレビューキーをご提供いただき、執筆しています。
『絶境ヒーローズ(原題:Time Treker)』は、人類滅亡の運命を変えるため、タイムラインを渡り歩いてモンスターとの戦いを繰り広げるヴァンサバライクの2Dアクションゲームだ。ゲーム開発スタジオ"Fuse Game"が手掛ける。
なお、本作は早期アクセスでのリリースとなるため、コンテンツの実装不足や、バグが発生する可能性があることも心に留めておこう。ローンチ時点で早期アクセス期間は3~6ヶ月程度が予定されている。
過去へのタイムトラベルで運命を変えろ
本作のストーリーは、虫族と呼ばれる昆虫型のモンスターの侵略によって滅亡の危機に瀕した人類が、過去の時間軸(タイムライン)で敵を倒すことで運命を変えようとする「タイムトレッカー計画」の戦いを描いた物語だ
先述のとおり、『Vampire Survivors』のゲームシステムがベースとなった"ヴァンサバライク"と呼ばれるもので、選択したキャラクターを操り、ステージ上で周囲から襲い来る敵を倒し続けながら一定時間を生き延びる、という基本スタイルが押さえられたものとなっている。
ゲーム開始時のキャラクターは"老兵マクナルティ"のみだが、個別に設定された条件を達成することで追加キャラクターがアンロックされる。ローンチ時点でのキャラクターは3体だが、ロードマップによれば、早期アクセス期間中に新たなキャラクターを追加予定とのこと。
各キャラクターは固有スキルを持っていて、例えば初期キャラのマクナルティは「ダッシュ」スキルで緊急回避が可能。多数の敵の群れや弾幕にさらされたときに、無傷で突破できるありがたさは同ジャンルのプレイヤーならば共感できるのではないだろうか。
キャラクター強化システムを使いこなそう
本作が『Vampire Survivors』と明確に異なるのは、突入したタイムライン上に存在する複数のステージを最後までクリアするか、攻略を諦めるまではキャラクターの装備や強化が維持される点。ステージを進めばより強力な敵が現れるので、計画的な強化が重要となってくる。
キャラクターの強化要素は複数ある。1つはステージで敵を倒し、レベルアップ毎に表示される3つのパネルから「武器」または「プラグイン」を1つ選択するという、お馴染みのスタイル。
入手した装備品は一旦インベントリにプールされ、プレイヤーが自由に空きスロットに装着していく。プラグインには武器性能を拡張する機能があるため、どの武器と組み合わせるかシナジーを考えていくのは楽しいものだ。
重複した装備品を入手した場合には、一方を消費して装備品自体をレベルアップさせることが可能なので、こうなるとインベントリに持てるだけ持っておきたくなるが――実はそうもいかない。
もう1つの強化要素として、「エネルギー結晶」というアイテムを使って体力や移動速度といったステータスアップ、装備スロットの解放ができるのだが、その入手手段はステージクリア報酬や敵からのドロップ、そして、装備品の分解となる。
現在のバランスではこの分解による入手がもっとも効率が良いので、装備品を溜め込むだけではキャラクターが強化しにくくなってしまう。この取捨選択のメカニクスが、適度なメリハリを生み出しているように感じられる。
タスクをこなして永続強化を獲得!
タイムラインを最後までクリアするか、途中で攻略を諦めるとインターバル画面へと戻り、それまでに入手した装備品や解放したスロットなどは初期状態にリセットされてしまう。
ただし、タイムライン中に任意のタスクを達成することで「テックポイント」が得られ、それと引き換えに永続的な強化を得られる。タスクは相当数が用意されているので、いつの間にか達成されるものもあるが、意識して挑めば効率よく進められそうだ。
"〇〇ライク"とされるタイトルは、いずれも本家に対してどう差別化されているのか、というところが注目されるものだ。シンプルにアートワークだけで勝負するタイトルもあれば、よりゲームシステムに独自性を見出していくタイトルもある。
本作の印象は後者にあたり、ロードマップからもより意欲的に新しいコンテンツや、システムの実装が予定されているようだ。公式Discordからはフィードバックも可能なので、製品版に向けて積極的に声を届けてみてはいかがだろうか。
基本情報 | 絶境ヒーローズ |
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開発 | Fuse Game |
販売 | Leyo Games, 2P Games |
配信日 | 2024年7月10日 / 日本語有り |
定価 | 800円(Steam) |