ゆるくて可愛い動物キャラの世界を自由に探検しよう! ゼルダライクのアクションADV『オグと秘密の森』ブースレポート【BitSummit Drift】

Masa Kei

2024/07/29

2024/09/14

2024年7月19日~21日(一般公開日は20~21日)にかけて、京都みやこめっせにて開催された日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit Drift(ビットサミット ドリフト)」の出展作品より、魅力的な注目タイトルをご紹介しよう。

BitSummit | 毎年京都で開催している日本最大級のインディーゲームの祭典 です / Japan’s Industry-Leading Independent Game Development Festival in Kyoto
毎年京都で開催している日本最大級のインディーゲームの祭典 です / Japan’s Industry-Leading Independent Game Development Festival in Kyoto

オグと秘密の森』は、探検帽子をかぶったカモノハシの「ちびオグ」となって、6つの地域に分かれた広大な世界を自由に探検し、謎や仕掛けに満ちたダンジョンを攻略するアクションアドベンチャーゲーム。

開発元のSinkhole Studioは韓国のソウルを拠点とする3人のインディーゲーム開発スタジオで、『3 Minute Heroes』など3タイトルをリリースした実績がある。『オグと秘密の森』は、カモノハシの「オグ」というキャラクターを生み出したアートデザイナーのムン・ジョンボム氏(Moonlab Studio)との共同開発。

Steam:オグと秘密の森
探検帽子をかぶったちびオグと一緒に新しい世界を冒険しましょう! 可愛いキャラクターたちと数多くの秘密に満ちた世界で新しい友達を作り、敵を倒しながら謎を解いてみてください。

本作は2023年3月24日に早期アクセスで発売された後、何度かに分けて新しい地域を追加する大型アップデートが行われた。そして、2024年7月29日にて、いよいよ最後のボス戦とエンディングを収録した正式版がリリースされる。

追記:定価2000円。正式リリース記念セールで10%オフの1800円で販売されるが、セール終了後に価格が若干上昇する予定とのこと

なお、筆者は正式リリース時のプレスリリース配信を個人でサポートする形で少しお手伝いさせていただいた。本作が長い道のりを経て完成したことを記念して、弊誌でもご紹介させていただきたい。

▲自然と遺跡と擬人化された動物たち。癒される世界観

オグってどんなキャラクター?

オグはカモノハシをモチーフにデザインされ、絵文字が発売されて人気が出たキャラクターであり(MoonlabのLINEスタンプ)、ゲーム化される前から存在していた。現実のカモノハシとは違って体が白くてクチバシが黄色い。オグは拾った卵から生まれた「ちびオグ」を育てているという設定がある。

『オグと秘密の森』のゲーム内ではあまりキャラクター設定が説明されることはないが、ちびオグが探検帽子をかぶって虫捕り網を手に外へ「冒険」に行こうとするシーンから物語が始まる。冒険や昆虫採集など、子供を熱中させるものがこのゲームには詰め込まれているのだ。

▲カットシーンのアニメが見れるのも嬉しい

広大な世界を自由に探検しよう!

オグが冒険する世界は、ジャングルや砂漠、港町、海、雪原など、特色のある6つの地域が、中央に位置する森の周りに広がっている。200以上のマップからなる広大な世界を探検できるのが本作の魅力だ。

メインクエストは、それぞれの地域で証(あかし)を手に入れること。最初の証を手に入れた後は自由に世界を探索することができて、何をどの順番で発見するかはプレイヤー次第だ。

虫取り網を振り回して、群がるモンスターを倒しながら進み、ダンジョンの奥で待つ巨大なボスに挑もう。町や村は可愛い動物キャラたちで賑わい、店で買い物ができるほか、さまざまなクエストを受けることができる。

▲遠くに見える場所にも行ってみたい! 探検は果てしなく続く
▲地図を埋めていくのが楽しい。クエストなども盛りだくさん!

パズルを解いて探検を進めよう!

ブロックを押したりスイッチを起動させたりして迷路を抜けるお馴染みのパズルから、独特なコンセプトのものまで、バリエーション豊かなパズルを解きながら各地を探検しよう。特に、最大HPが増えるハートを手に入れるためのパズルは挑戦しがいがあって、解けたときの喜びもひとしおだ。

また、物を持ち上げる力などの新たな能力を手に入れるたびに、今まで行けなかった場所に進入できるようになり、何が見つかるかワクワクしてくる。

▲序盤のパズル。サルの石像の形をしたスイッチをオン・オフしてみよう

世界を旅してコレクションを増やそう!

収集要素が山ほどあるのもおすすめポイントだ。「昆虫採集」と「釣り」ができて、「博物館」にコレクションを展示できる。村にある「勇者の家」が使えるようになれば、各地で見たインテリアアイテムを製作して、レイアウトを楽しむことができる。『どうぶつの森』シリーズを想起させるような収集要素が本作にも盛り込まれているのだ。

収集したものの中には、売ってお金にしたり、回復アイテムとして使ったりして冒険に役立つものもある。ちょっとした農業の要素もあり、家の植木鉢に種をまけば、薬草などを栽培できる。野外のたき火に立ち寄れば、魚や薬草、果実などを材料にして「料理」を作ることができる。しかも、街のレストランに行くと、来たお客さんに料理を提供してお金を稼げる。

また、手に入れた「帽子と仮面」は、装備することでオグを可愛く飾れるだけでなく、移動速度アップや毒の無効化など、実用的な効果を持つものがたくさんある。各地を旅してコレクションを増やしていく楽しみがあって、寄り道とやり込みが好きな方に特におすすめできるゲームとなっている。

▲勇者の家の地下。旅先で見たものを家に飾るのが楽しい
▲博物館。コレクションを完成させたくなる!

難易度イージーを選べば敵にやられない!

ダメージを受けてもHPが1より減らなくなる難易度「イージー」を選ぶことができるので、アクションゲームが苦手な方も安心だ。ゲームを開始してから、途中で難易度を変更することもできる。

探索とパズルを楽しんでいるうちに、上述のように、HPの最大値を増やすハートを見つけたり、消耗品アイテムや装備品を集めたりして、戦闘を有利に進められるようになっていくはずだ。

しかし、海外のインディーゲームであるがゆえに、日本語で読める攻略情報が見つからなくて困るということはあるだろう。だからこそ、ゲームが広まってユーザーのコミュニティでもっと情報が共有されてほしいところだ。

▲料理のミニゲーム。アイコンが流れてくるタイミングに合わせてボタンを押そう
▲近接攻撃が届かないボス。その場にあるもので工夫をしよう

翻訳者の手厚いサポートで日本語対応が実現

日本語翻訳についても触れておくと、たまにエラーを見かけたので、日本語ネイティブがプレイしたら気づく点もあるはずだが、個人的にはプレイに支障があるほどだとは感じなかった。筆者もできる限りフィードバックして翻訳の改善に協力できればと思う。

これほど大規模なゲームをアップデートのたびに同じ担当者が長期間翻訳するのは簡単なことではない。展示会で翻訳者の方にもお会いしたが(去年の東京ゲームショウにも今年のBitSummit Driftにも同行して開発チームをサポートしておられた)、英語翻訳だけでなく日本語翻訳も担当なさっていて、その献身と熱意には頭が下がるばかりである。筆者としては、若者たちが力を合わせて日本進出を目指しているのを見ると応援したくなってしまう。

Steamレビューで高評価の割合も高いので、気になった方はぜひ遊んでみてほしい。正式リリースを迎えて、もっと広まってくれることを願っている。


基本情報 オグと秘密の森
開発 Moonlab Studio, Sinkhole Studio
販売 Sinkhole Studio
配信日 2024年7月29日正式リリース / 日本語有り
定価 2000円(Steam

この記事で紹介されているゲーム

オグと秘密の森

アドベンチャー

早期アクセス

2024年7月29日
日本語対応
10%¥1,800

3 Minute Heroes

ストラテジー

2020年12月3日
日本語対応
¥2,050