サイバーパンクな謎多き都市を舞台にしたネオ・ノワールのアドベンチャーRPG『ネオン ブラッド』ブースレポート【BitSummit Drift】

2024年7月19日～21日（一般公開日は20～21日）にかけて、京都みやこめっせにて開催された日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit Drift（ビットサミット ドリフト）」の出展作品より、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップしてご紹介しよう。

なお、基本的にはリリース前の開発中のタイトルや、リリースから間もないタイトルを対象としている。

BitSummit | 毎年京都で開催している日本最大級のインディーゲームの祭典 です / Japan’s Industry-Leading Independent Game Development Festival in Kyoto

毎年京都で開催している日本最大級のインディーゲームの祭典 です / Japan’s Industry-Leading Independent Game Development Festival in Kyoto

BitSummit

2つの側面を持つ巨大都市で革命の狼煙を上げろ

『ネオン ブラッド』は、表と裏の二面性を持った都市を舞台に奔走する、探偵アクセル・マコインの姿を描いたネオ・ノワールを謳う2.5DのサイバーパンクRPGアドベンチャーだ。スペインのゲーム開発スタジオ"ChaoticBrain Studio"が手掛ける。

第3次世界大戦後の2053年、人類は豊かなブライト・シティとディストピア的なブラインド・シティという2つの都市によって形成された「巨大都市ヴィリディス」に押し込められていた。元刑事アクセル・マコインは、2つの都市間に根ざす格差社会に対して反旗を翻そうとする――。

Steam：ネオン ブラッド

豊かなブライトシティと危険なブラインドシティという二つの顔を持つ都市ヴィリディスで、確固たる理念を持つ探偵アクセル・マコインとなって格差社会に革命をもたらせ。サイバーパンク・アドベンチャ。

STEAM

今回の試遊体験版では、主人公アクセルの捜査シーンと、自宅での日常などといったシーンが描かれ、世界観と彼の人となりが垣間見える内容となっていた。

実は、アクセルは記憶障害を抱えていて、さらにはドラッグに常習的に溺れ、捜査用デバイスも壊れたまま放置しているような状態。現場の関係者からも下に見られているほどで、その不良っぷりが目に付く。やむなく昔ながらの手法である、観察と情報収集によって事件現場の被害者の身元を特定していた。

続いて自宅のシーンでは、室内のオブジェクトを調べて回ることで、世界観をある程度理解できるようになっている。筆者は興味深く自然と隅々まで調べてしまったが、必要な箇所をチェックすることで物語が進展する形式のようなので、必然的に全てを見て回ることになるようだ。

捜査シーン同様、こうしたインタラクティブな要素が主軸となっているようだが、一方で自ら危険へと踏み込んでいくときには戦いも発生し、JRPGにインスパイアされたというターン制のコマンドバトルも発生するとのこと。

ネオンによって照らされた退廃的な街の様子は、いかにもサイバーパンクといった様相で、その言葉を聞いただけで飛びついてしまうファンにとっては魅力的な雰囲気。だが、2つの顔を持つこの都市では、物語が進むにつれてプレイヤーに別の姿も見せてくれるのだろう。

アメコミ調アニメのカットシーンもイカしていて、製品版でどのような物語が展開していくのか楽しみな『ネオン ブラッド』は、2024年第4四半期のリリース予定に向けて鋭意開発中だ。

今回の試遊体験版の翻訳は英日ゲーム翻訳者の柴田泰正氏が担当されている。なお、柴田氏によれば「・（ナカグロ）」が「？」と表示されてしまっていたようで、確かに主人公も「アクセル？マコイン」となっていた。
　　
もし会場で試遊して気になった方がいらっしゃれば、あくまで体験版での不備と捉えておこう。