2024年6月22日にベルサール秋葉原にて開催された「TOKYO SANDBOX 2024」の出展作品より、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップしてご紹介しよう。
なお、基本的にはリリース前の開発中のタイトルや、リリースから間もないタイトルを対象としている。
命を奪うことなく道を切り開こう
『無刃刀 -真打-』は、不殺(ころさず)を貫こうとする侍を操作してステージを踏破していく、パズル要素のある2D横スクロールのアクションゲームだ。日本の個人ゲーム開発スタジオ"FlyteCatEmotion"が手掛ける。
時は幕末。残酷な将軍が支配する闇の時代を改革しようと、刃のない刀「無刃刀」を手に、戦いを好みながらも誰も殺さずに国盗りを成し遂げようとする侍の姿を描くストーリーとなっている。
本作のゲームシステムは、2D横スクロールのステージを左右移動とジャンプを駆使しながら、障害を退けつつ終点に到達することが目標となるのだが、ユニークなのは戦いの要素がないということ。
ステージ上には主人公の道を阻む敵の侍がそこかしこにいるのだが、先述のとおり、主人公の刀では敵を斬ることができない。攻撃した相手はその場で立ったたま気絶してしまい、すり抜けることもできず文字通りの「障害」になってしまう。
そこで、邪魔にならない位置で気絶をさせることで通路を通り抜けたり、気絶した相手を踏み台のようにして高台に登ったりという工夫が必要になってくる。どこで手を出せば先に進めるのかというのを考えていくところに、本作の面白さがあるわけだ。
しかし、主人公はもともと戦いを好む性分。敵を殴ると徐々に「狂気ゲージ」がストレスのように溜まっていってしまい、ゲージが満タンになった状態では刃のない刀であっても敵を殺めてしまい、この時点でゲームオーバーとなってしまう。
狂気ゲージは蓄積しているほど敵の気絶時間が延びるため、それを利用することで先に進めるシーンもありそうだが、ステージ上に点在しているお地蔵様の前に立つことで鎮めることができるので、いかにゲージを溜め込まずに進んでいけるかがポイントだ。
だが、敵を倒せないとなると、今度はプレイヤー自身にストレスが溜まってしまうもの。そのために用意されたのが「褒賞システム」。パズルに相当するポイントを突破する度にド派手なエフェクトで「見事」「革命」といったようにプレイヤーを褒めてくれる。
ただただ褒めてくれるだけではあるものの、なんとも気持ちのよい瞬間だ。
まだまだ開発は始まったばかり
今回会場ブースにて開発者の小林総満氏にお話を伺うことができたが、殺伐としたゲームが多い中で「敵を殺さない」ことをコンセプトに、それが気持ちよさに繋がるものを考えたのだそうだ。
開発は始まったばかりだが、全体で7~8ステージを予定しており、褒めるポイントは100ヶ所は用意したいとのこと。ステージの最後には、ボス戦が待ち受けているといった構想も伺うことができた。
また、2人プレイの場合にはステージ上のお地蔵様が消え、代わりにもう1人のプレイヤーが狂気を鎮める役割を負う形に。主人公と違って身軽に屋根の上に登ることもでき、単純に同じステージ上を2人のキャラクターで移動していくのではなく、協力プレイであることに意味があるものとなっていた。
どんな完成形となるのか、この先でまた出会うことが楽しみなタイトルだ。
基本情報 | 無刃刀 -真打- |
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開発 | FlyteCatEmotion Inc. |
販売 | FlyteCatEmotion Inc. |
配信日 | 未定 / 日本語有り |
定価 | 未定(Nintendo Switch) |
未定(PlayStation 4/5) | |
未定(Xbox One, Xbox Series X/S) |