Indie Gemは、リリースを控える期待の作品群から、明日を煌めく原石のようなタイトルを発掘し、体験版を元に紹介していくコーナー!
2024年6月11日~18日に開催される「Steam Nextフェス:2024年6月エディション」の参加タイトルより、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップしてご紹介しよう。
Steamにて定期的に開催されるイベント「Steam Nextフェス」は、近日登場予定のゲームの祭典。約1週間にわたり、多数の開発中タイトルの体験版が公開され、開発者のライブストリーミングが放送される催しとなっている。
キノコが主人公のメトロイドヴァニア続編
『Lone Fungus 2』は、クラシックな16bitスタイルのドット絵によって描かれた、キノコが主人公の2D探索型アクション・アドベンチャーゲームだ。スウェーデンの個人ゲーム開発者"Basti(Sebastian Brkic)"氏が手掛ける。
約1年間の早期アクセスを経て、2023年4月7日にSteamにて製品版がリリースされた『Lone Fungus』のシリーズ2作目で、時系列としては"前作の数千年前"を舞台とする前日譚。前作でのプレイヤーからのフィードバックを経て、より深くて面白いストーリーを作りたいという思いから、伝承に残る過去の時代を舞台に設定したのだという。
本作のゲームシステムは、広大なマップを舞台に特殊なアイテムや能力を入手しながら探索範囲を広げていく、いわゆるメトロイドヴァニア作品だ。NPCとのクエストや、ボス級の敵を倒すことでストーリーが進行するが、探索ルートはプレイヤーに任されている。
プレイヤーの操る主人公は、緑色のキノコの傘が特徴的な"グリーンキャップ"と呼ばれるキノコ人間。前作は特に『Hollow Knight』から強くインスパイアされた内容で、同作をお好きな方であれば間違いなく楽しめるものとなっていた。
今作においてもそのコンセプトは健在だが、今回体験版をプレイした際に感じた大きな変化として、メインウェポンが「剣」から「ムチ」となったことが挙げられる。
『悪魔城ドラキュラ(英題:Super Castlevania IV)』をリスペクトしたというこの武器は、十字方向に振るう剣とは違って、8方向に攻撃できるところが特徴。何となく主人公っぽくないからか、他作品ではあまり見かけることがないが、慣れればさまざまな方向に攻撃できるというのは便利な印象。
また、前作にも登場した要素の「レリック(『Hollow Knight』のチャームに相当するアクセサリ枠)」をスロットに装備することで、新しいアビリティや、体力やダメージの増加といった強化など、さまざまな効果を与えてくれる。
ちなみに前作ではスロット制ではなくポイント制で、スロット制の方がシンプルなわかりやすさがあるが、これは今後プレイヤーからのフィードバック次第で再検討も予定しているそうだ。
探索型アクション・アドベンチャーとしての完成度が高く、前作の評価は本稿の執筆時点で「非常に好評」となっており、よりストーリーに力を入れたという今作にも大いに期待したいところ。
2024年秋頃に早期アクセスでのリリースを予定しており、製品版は2025年~2026年初頭を予定。前作を含めて日本語には未対応となるが、日本からのウィッシュリスト登録が1つの判断材料となることもあるので、興味のある方はぜひ登録しておこう。
クラウドファンディング開催中
2024年5月24日~6月23日にかけて、前作と同様にKickstarterにて開発資金獲得を目的としたクラウドファンディングが開催されている。スタートから約2週間で目標額の30%程度を達成しているが、やや進捗は控えめ。
ちなみに筆者は前作の支援者(バッカー)となっており、今作も個人的に参加している。クラウドファンディングは支援金額に応じたリワード(報酬・返礼品)もまた魅力ではあるが、ゲーム制作を応援する1つの形となるため、興味があればこちらもご覧になってみてはいかがだろうか。
Kickstarterでインディーゲームを支援する魅力については、以前に弊誌にて紹介記事を公開しているので、併せてご覧いただければ幸いだ。
基本情報 | Lone Fungus 2 |
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開発 | Basti Games |
販売 | Basti Games |
配信日 | 2024年秋予定 / 日本語無し |
定価 | 未定(Steam) |