本稿は事前にレビューキーをご提供いただき、執筆しています。
『Death Noodle Delivery』は、サイバーパンクな世界を舞台にホバーボードでフードデリバリーをするアクションアドベンチャーゲームだ。イタリアのミラノを拠点とするゲーム開発スタジオ"Stupidi Pixel"と"Tiny Pixel"が共同で手掛ける。
本作は、1985年にアタリ社からリリースされたアーケード用シューティングゲーム『PAPERBOY(ペーパーボーイ)』のサイバーパンクリメイクを掲げている。当時その内容は、自転車に乗った少年を操作して新聞配達を行うというものだったが、今作ではそれを未来に置き換えたというわけだ。
サイバーパンクな世界をホバーボードで駆け抜けろ
本作のゲームシステムは、デスヌードル・デリバリー社の新人"ジミー・ロウ"として、ホバーボードに乗って1週間無事にヌードルを配達するというもの。
ネオン輝く道路上にはハイライトされた配達先が点在しているので、走行しながらタイミングよくヌードルを投げ込めばOK。しかし、このサイバーシティではデリバリーも命がけ。ヌードルを奪おうとする輩、狂ったAIドローン、主人公のことなど気にも留めない車など危険だらけ。
それでも、どうにかすべての配達先に届けて、道路の終点まで無事たどり着ければその日の配達はクリアとなるが――帰り道のハイウェイも危険に満ちている。ときには、ライバル企業のデリバリーが彼を轢き殺そうと襲ってくることさえ日常茶飯事なのだ。
いずれのシーンでも障害物にぶつかったり、攻撃に当たったりすると一発アウトでスタート地点から即リトライ。単純そうに見えても意外と難しいので、トライアル・アンド・エラーで根気強くいこう。
ちなみに配達先にヌードルを投げるアクションは、先述のリメイク元『PAPERBOY』で新聞紙をポストや玄関先に投げ込んでいた名残り。ヌードルを投げてもOKなところがサイバーパンク。
癖のある住人たちとの交流を楽しもう
仕事の合間には、主人公の住むアパートの住人たちとコミュニケーションを取ることができる。
一癖も二癖もありそうな奇妙な住人ばかりだが、だからこそ彼らとのやり取りが面白い。ストーリーを進める上では全員と会話する必要はないが、ジミーとの関係性が垣間見えたり、世界観に触れる情報を知るきっかけになったりするので本作をより楽しめるはず。
中には複数ある選択肢から一方だけが選べるというシーンもあり、それによってイベントも変化するようなので、プレイヤーによって異なる展開が待っていそうなところも魅力となっている。
また、これはストーリー上必須のようだが、彼らから手に入れた情報を元にホバーボードに新たな機能を追加できたり、身を守るための便利なアイテムを手に入れられたりするので、積極的にコミュニケーションを取っていくメリットもあるのだ。
最後に1つ余談となるが、このいかにもサイバーパンクらしい世界観を彩るアートワークの一部にはAI画像生成が用いられている。ジェネレーターで生成したままというわけではなく、開発チームのアーティストの手が加わっているということだが、それにより独特な雰囲気が生まれていることもまた確かな印象。
いまだ議論の最中にある技術ではあるものの、サイバーパンクだけに未来を感じさせてくれるかのようだ。
基本情報 | Death Noodle Delivery |
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開発 | Stupidi Pixel, Tiny Pixel |
販売 | Troglobytes Games |
配信日 | 2024年4月4日 / 日本語有り |
定価 | 580円(Steam) |