2024年1月20日~1月21日に東京都立産業貿易センター 浜松町館にて開催された「東京ゲームダンジョン4」の出展作品より、個人的に強く興味を惹かれたインディーゲームをご紹介しよう。
それは、KONAMIが主催するIndie Games Contest 学生選手権にて優勝した経歴などから注目を浴びているタイトル『Death the Guitar』だ。
2つの性質を併せ持つエレキギター
『Death the Guitar』は、エレキギターそのものとなって敵を倒していくハイテンポな2Dアクションゲーム。開発は「トロヤマイバッテリーズフライド」という日本人のソロ開発者によるスタジオが手掛けている。
主人公は、持ち主を殺されてしまったエレキギター。彼のために復讐を誓い、仇となる組織の人間を次々と始末していくのが目的だ。
今回試遊させていただいたデモ版では、基本的なアクションとして「移動」「ジャンプ」「ギターをかき鳴らす」の3種類があった。
1エリアに配置された敵をすべて排除すると先に進むことができるので、ギターをかき鳴らして発生する音波で敵を攻撃して倒していこう。さらに、この音波には面白い効果がある。それは、音波が特定の仕掛けに当たると、電気が流れてさまざまなアクションが起こるというものだ。
例えば、アンプのような箱に電気を流すと主人公が大きく跳ねて、通常よりも高く跳べたり脆いガラスを突き破ったりできる。また、電気を通すコードによりさまざまな仕掛けを起動させることもでき、工夫すれば離れた敵を簡単に倒すことも可能だ。
そして、プレイ中はこうした電気による仕掛けを、最も効果的に利用するプランを組み立てるのが重要となる。というのも、実は本作では自分も敵も一撃で死んでしまうからだ。
エリアが進むにつれて、最初は近接攻撃しかしてこなかった敵の種類も増え、発射速度の速い銃撃や、追尾機能付きのミサイルなどもバンバン画面を飛び交うようになる。そんな中で、エレキギター単身で立ち向かうのはなかなか難しい。
だが、エリアをちゃんと観察するといろいろな仕掛けの存在に気づけるようになっている。それらを上手く活用する方法を見出しながら、自身のアクションスキルも駆使して難所を乗り切れたときがとても気持ちいい!
もちろん、仕掛けを必ず使わなければならないということもないので、敵の攻撃を見切って直接音波を叩き込むのもスリリングでより爽快感を味わえる。
創作活動の中でゲーム作りが一番好き
デモ版を試遊した後に、本作を1人で開発しているトロヤマイバッテリーズフライド(通称:トロヤ)氏にお話を伺った。
トロヤ氏は美術大学メディアアート学科の出身で、アートや脚本を自身で制作しており、「創作」という活動そのものに深い興味があったとのこと。そして、アートの分野からゲームを見ることに心が向き、小学生の頃からインディーゲームを楽しんでいたことも相まって、2年前よりゲーム開発をスタート。
小規模なゲームを3つほど制作したりデジゲー博に出展したりする経験を積みながら、『Death the Guitar』を初の商業タイトルとして開発しているところだという。自身の大好きな『Hotline Miami』『Celeste』『Crypt of the NecroDancer』『Katana ZERO』『Downwell』にインスパイアを受けているとも語ってくれた。本作のテンポの良さや爽快感のある操作性、一撃必殺のシステムなどを体験した後だったので納得のラインナップだ。
『Death the Guitar』は2025年を目指して鋭意開発中とのことだが、トロヤマイバッテリーズフライドからは『デンパトウ』という、BSテレビ東京の番組内から生まれた農業シミュレーションアドベンチャーゲームもリリースが予定されている。
かなり方向性の異なる2作品だが、トロヤ氏は「自分に作家性というものがあるとしたら、両作を遊んでいただけるとエッセンスが伝わるかなと思います。」と語っていた。新進気鋭のゲーム開発者が生み出す世界に触れてみたい方は、ぜひどちらもチェックしてみよう!
基本情報 | Death the Guitar |
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開発 | トロヤマイバッテリーズフライド |
販売 | トロヤマイバッテリーズフライド |
配信日 | 2025年 / 日本語有り |
定価 | 未定(Steam) |