本作はパブリッシャーKepler Interactiveと協働し、Indie Freaksが日本向けマーケティングの一部をサポートしています。
『Pacific Drive』は、超自然的な脅威が渦巻く世界の秘密と脱出を求めて改造車で走り抜ける、ドライビング・サバイバル・アドベンチャーゲームだ。アメリカのシアトルを拠点とするゲーム開発スタジオ"Ironwood Studios"が手掛ける。
ある出来事により、太平洋岸北西部の半島にある隔離地域「ゾーン」に閉じ込められてしまった主人公。偶然見つけた廃車同然のステーションワゴンに乗り込み、協力者の手を借り、物資を集めて車を改造しながら脱出手段を探すために各地を駆け巡るのだ。
そんな、ドライビングとサバイバルという2つの要素が融合したユニークな本作を先行プレイする機会を頂いたので、その魅力的な内容についてご紹介しよう。
愛車を駆ってゾーンを走り抜けろ
本作のゲームシステムは、物資と脱出手段を求めて各地を車で探索していく「ドライビング要素」と、過酷な超常現象に対抗するために物資を利用して車と拠点をカスタマイズしていく「サバイバル要素」が組み合わされたものだ。
拠点となるのは、ゾーン内唯一の安全地帯であるオートショップのガレージ。幸いにも、このゾーンが生み出されるきっかけとなった組織の元関係者だという協力者たちと無線が繋がるので、彼らの協力を得ながら探索を進めていくこととなる。
誤解のないように先にお伝えしておくと、本作はオープンワールドではない。広大なマップ上をシームレスに移動するのではなく、拠点に設置されたルートプランナーで目的地の危険度などの状況を確かめてから出発するとエリア移動。そのマップ内を探索して、無事戻ってくるというのが基本の流れだ。
ゲームの「メインミッション」として、その時々の目標が設定されているので、それを達成していくことでストーリーが展開していくわけだ。
愛車と拠点をカスタマイズしよう
ゾーンには超自然的な脅威(アノマリー)が渦巻いている。近づくだけで局地的にダメージを負う場所。触れれば爆発する物体。強烈な嵐や雷。隔離された地域全体には街灯もないので、夜の闇でさえも危険を伴う。
主軸となるのは車での移動だが、その途中途中で施設や建物、オブジェクトを発見すれば停車して立ち寄り、主人公を操作して物資を回収していく。主人公はあくまで普通の人間なので素早く車に戻ったほうが良いが、車にもさまざまな要因でダメージを受けていく。
そこで重要なのが車体のアップグレード。物資を使ってパーツをクラフトし、より強固にカスタムしていこう。ただ、設計図がなければグレードの高いパーツを作ることができないため、割合的には修理や補給などメンテナンスのほうがメインになる印象を持った。
また、車のカスタマイズとは別に拠点設備にも手を加えることができる。
探索から持ち帰った物資の保管スペースの拡張や、ガソリンやバッテリーの補給速度アップ。より遠くのエリアを観測できるアンテナ設備など、積み重ねていく楽しみを感じられた。拠点とは便利だからこそ拠点なのだ。
難易度アクセシビリティは優秀だが……
筆者の主観では、本作の難易度はやや高めであるように感じた。
ゲームの難しさとはさまざまな要素で測られるが、本作においてはとにかく多くのことに目を向けなければならない部分に難しさがある。
例えば、リアリティさを演出するために、メニューを開いている最中でも常に脅威に襲われる可能性があって気が抜けない。燃料やバッテリーの残量、車体の劣化に気を配り、停車すればギアをパーキングに入れてエンジンを止めるという細かい動作も必要。
そこに敷居の高さを感じると手を出しにくくなってしまうが、その点で本作はそれぞれの要素を個別に調整可能。単純にEasy/Normal/Hardといった区切り方ではなく、好みに合わせて柔軟に調整できることは、多くのプレイヤーにとって歓迎できる形ではないだろうか。
一方、そうした細かやなアクセシビリティから抜け落ちてしまっているものもある。それは「字幕の表示位置」だ。
ゲームや映画など、現在では世界共通で「画面の下部に横書き中央揃え」が主流だが――本作の表示位置は画面上部。習慣的に身体に染み付いた動作から外れるとやはり戸惑うもので、英語ボイスが聴こえて無意識に画面下に目をやり、あわてて字幕を探すシーンがしばらく起きてしまった。字幕を捉えるのが遅れて流れてしまうこともあり、ゲーム本来の体験を損なう恐れがあることを開発チームにフィードバック済みだ。
ドライブとサバイバルがバランス良く楽しい
そのように気になった部分はあるものの、幅広いプレイヤー層に向けての遊びやすさが考えられており、ドライブとサバイバルという2つの要素がバランス良く配置されているという印象を受けた。
先に触れたように意外と車を停車しての生身での探索シーンも多いので、常にドライブだけに集中できる内容をイメージしているとギャップを感じてしまうので注意が必要だが、地道に物資を漁ったり、設備を拡充したりしていくようなスタイルが好きな方にもオススメしたいタイトルだ。
基本情報 | Pacific Drive |
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開発 | Ironwood Studios |
販売 | Kepler Interactive |
配信日 | 2024年2月22日 / 日本語有り |
定価 | 3,400円(Steam) |
3,400円(Epic Games) | |
4,180円(PlayStation 5) |